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鉄血勤皇隊(てっけつきんのうたい Tekketsu Kinnotai)とは、太平洋戦争(大東亜戦争)末期の沖縄戦で防衛召集により戦闘に動員された日本軍史上初の14~17歳の学徒隊(少年兵部隊)である。 沖縄戦では、鉄血勤皇隊をはじめ多くの少年兵が実際に正規部隊併合され戦闘に参加し多くの戦死例を出した。 == 概要 == 太平洋戦争(大東亜戦争)末期になると、戦況悪化、長期化により兵士の不足が、深刻となった。そこで陸軍省は、つぎつぎと陸軍省令を発して、施行規則を改正していった。 そうしたなかでアメリカ軍上陸のせまる沖縄では14歳以上の少年を鉄血勤皇隊として防衛召集した〔戦時記録 上巻 第一章 太平洋戦争 全島要塞化と根こそぎ動員 読谷村史〕〔「3人の捕虜」読谷バーチャル平和資料館 〕〔。 防衛召集は、17歳以上の男子が召集対象であったが、1944年12月の陸軍省令第59号「陸軍召集規則」改正および第58号「防衛召集規則」改正で、一部地域のみ防衛召集の対象年齢が引き下げられた。「前縁地帯」と呼ばれる帝国本土とは区別された地域(沖縄県、奄美諸島、小笠原諸島、千島列島、台湾など)に限り、17歳未満(14歳以上)であっても、志願して第2国民兵役に編入された者は、防衛召集できるとされたのである〔原剛(防衛研究所戦史部)著 『沖縄戦における軍官民関係』〕。 これらの陸軍省令について、内務省は、「事実上徴兵年齢の引き下げにあたるので、法的には法律である兵役法の改正によってなされるべき」であるとして、憲法違反の疑いもあることを指摘していた。また、「志願」は「事実上の強制」になりうることへの懸念も示していた〔内務省警保局警備課「兵役に関する研究」(昭和19年11月10日)〕。(法律形式による法整備は、ようやく1945年6月23日に制定施行された義勇兵役法で行われた。それまでは鉄血勤皇隊も含め陸軍省令で改正する規則のみが法的根拠であった。) 実際の手続きにおいても、17歳未満の少年を鉄血勤皇隊として防衛召集するには「志願」して第2国民兵役に編入された者でなければならないが、「学校ぐるみ」での編成ということ自体が強制の契機をはらむ。さらに学校や配属将校が同意なく印鑑をつくり「志願」のために必要な親権者の承諾書を偽造するなど、「事実上の強制」であったような例も多々見受けられた〔藤原彰『沖縄戦―国土が戦場になったとき』(青木書店、1987年)pp.114-122〕。内務省の懸念は現実のものとなっていたわけである。なお、県立第二中学のように配属将校が食糧がないことを理由に生徒たちを家に帰したり、県立農林学校では引率教師が銃殺処刑される覚悟で生徒を家に帰したという例もあった〔「非国民」が人々の生命を救った -『ジャイロスGYROS』第5号2004年8月沖縄戦の真実 - 林博史 〕。 これらの点は戦後にも問題となり、遺族援護に関連して厚生省は、鉄血勤皇隊における17才未満の少年の防衛召集には法的手続きに問題があり、無効な防衛召集であったとして、鉄血勤皇隊の少年たちの軍籍を認めなかった(結局、政治的配慮から「事実に基いて、軍人として処理すること」とした)〔陸上自衛隊幹部学校『沖縄作戦における沖縄島民の行動に関する史実資料』P.32〕。ことに第2国民兵役に編入するための「志願」について任意性が担保されていない点が問題とされた〔1955年7月15日の衆議院「海外同胞引揚及び遺家族援護に関する調査特別委員会」〕)。 沖縄戦では、憲法違反の疑いもあるこれらの陸軍省令(改正規則)を根拠として、「事実上の強制」すらあった手続きにより、1945年3月に第32軍の命令で、防衛召集された旧制中学生ら1780人による鉄血勤皇隊が編成され、戦闘行為に動員されて、約半数が戦死した(17歳未満の戦死者は567名〔1955年7月15日の衆議院「海外同胞引揚及び遺家族援護に関する調査特別委員会」〕)。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「鉄血勤皇隊」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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