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標準時(ひょうじゅんじ、standard time)とは、ある国または広い地域が共通で使う地方時をいう〔日本では本来の標準時のことを「地方標準時」と呼ぶことがある。これは日本ではグリニッジ平均時を「グリニッジ標準時」と訳すことが多いので、「標準時」という言葉の概念の混乱が起きやすいためである。〕。 地方時とはある地域・地点の時刻で、元来は平均太陽時であり、観測地点に依存し、経度の違いで1度あたり4分の時差が発生する。古くは、離れた都市はそれぞれの時刻を用い、同一の時刻に合わせることはなかった。これに対して標準時では、広い地域が共通の時刻を用いる。 標準時で用いる時刻は、現在は協定世界時 (UTC) との差が1時間もしくは30分単位になる経度の地点の時刻を用いることが多い。その経度の選定は、国や地域が広がる経度の範囲の中心や、人口密度、都市の位置、その標準時が使われる地域間の時差などが考慮される。 共通の標準時を使う地域全体を「標準時間帯」、「時間帯」、「等時帯」、「時刻帯」または「タイムゾーン(time zone)」といい、その地域の標準時を示す際にはUTCとの差で示すことが多い。また国によって夏時間が使われる。 == 標準時の歴史 == 標準時が導入される以前は、各々の自治体ごとに(もしその町の時計があれば)その町での太陽の位置に合わせて時計を合わせていた。すなわち都市や観測地点ごとに定めた平均太陽時であった。移動者は移動の度に時計を合わせ直す必要があった。 鉄道が敷設される以前はこれで十分に間に合っていたが、鉄道によってそれまでよりも格段に速く広範囲を移動できるようになると、頻繁に時計を合わせ直す必要が生じた。また鉄道の運行自体に与える影響も無視できなくなった。 この問題を解決するために、ある地域内で鉄道運行に関わる全ての時計に共通の時刻を用いるという「鉄道時間 (railway time)」、後に「標準時」、の仕組みがイギリスで生まれた。この共通時刻としては、基準となる地点の平均太陽時を用いた。イギリスではロンドンの時間、すなわちグリニッジ平均時をこれに用いた。 標準時の考え方を世界全体に適用すると、世界はいくつかの時刻帯 (time zone) に分割される。それぞれの時刻帯は(少なくとも理論的には)15度の経度範囲をカバーする。これら各々の時刻帯内に属する時計は全て共通の時刻に合わせられ、隣り合う時刻帯の間は1時間ずつ時刻がずれている。 1884年の国際子午線会議において、グリニッジ子午線が本初子午線として国際的に採用され、従ってグリニッジ平均時が世界の各地域の時計を合わせる時刻の基準の地位を獲得した。 この会議ではサンドフォード・フレミング卿が時刻帯の仕組みを提案したが、本初子午線を決定するという会議の目的から外れるという理由で採用は見送られた。しかし実際には1929年までには主要な国のほとんどが時刻帯を採用した。 また、1918年には、当時は大洋を航行する艦船においては(経度測定用のクロノメーターとは別に)日常使用する時刻を毎日正午に船の位置する(と考えられる)子午線の地方時に合わせていたが、イギリスの通商部においてこの慣習を改めて海上においても、陸上において当時の多くの国が採用している標準時と同様な時刻系を採用することの可否について関係者の詳細な意見を集めた。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「標準時」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Standard time 」があります。 スポンサード リンク
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