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鉛冷却高速炉(なまりれいきゃくこうそくろ、英語:Lead-cooled Fast Reactor、略称:LFR)とは冷却材として液体の鉛や、鉛とビスマスの合金を使う減速材のない高速炉である。 高速増殖炉として作り得ると考えられている炉型であり、第4世代原子炉の炉型の一つに選ばれている。〔Gen4 forum 〕 液体金属鉛や鉛ビスマス合金を使う利点は、中性子をあまり吸収しないため中性子経済が良く燃料増殖が可能であること、沸点が高いため水炉のように炉を高圧に耐えるようにする必要が無いこと、熱伝導性がよいため除熱能力が高いこと、ボイド係数が負で沸騰したとしても安全性が高いこと、酸素や水との反応性が低いため漏洩時の安全性が高く、直接水と接触させて蒸気発生すら考えられることが挙げられる。〔 Pb-Bi冷却直接接触沸騰水型小型高速炉の概念設計・安全性評価 〕 欠点は、冷却材の質量が重く大型化に難があること〔 各種冷却材を有する高速増殖炉に関する プラント設計評価 〕配管の腐食性があり材料の検討が必要なこと〔Pb-Bi流れにおける鋼材の腐食試験 〕、不透明であるため燃料交換時等のメンテナンス性に難があること、原子炉を停止させる場合は冷却材が固化しないように予熱し続ける必要があることが挙げられる。 直接核燃料に照射される鉛やビスマスは、中性子の反応断面積は小さいものの放射化し、とくにビスマスは放射能が強く半減期が138日と比較的長いポロニウム210を生成するため、メンテナンス性に影響がある。〔鉛−ビスマス冷却材と keV 中性子捕獲断面積 核データセンターニュース〕 世界的に見てあまり実績は無いが、日本では東京工業大学で研究されており、ソ連の潜水艦K-27、アルファ型原子力潜水艦の原子炉で使われていた。アメリカではハイペリオン・パワー・モジュール(:en:Gen4 Energy)と呼ばれる小型で、燃料と炉が一体で長サイクル、一括取り替えによる廃炉といった特徴を持ったバッテリー炉の設計が進んでいる。 また、加速器駆動未臨界炉においてはビスマスが核破砕反応ターゲットと成り得ると考えられている。 ==鉛ビスマス共晶合金使用== 1991年頃にロシアが開発したSVBR-75/100は、冷却材として鉛ビスマス共晶合金(英:Lead-bismuth eutectic)を使用している〔Gidropress no analogues in the world"'' ">''"Innovative nuclear technology – no analogues in the world"'' 〕。 日本においては、ナトリウム冷却高速炉もんじゅの開発が1995年の事故で停止したため鉛冷却高速炉の開発が検討され、2000年代の頃はロシアとの間に「Japan-Russia LBE Coolant Workshop」など研究会がもたれ、「Pb-Bi(鉛-ビスマス合金)冷却材は旬の研究テーマ」とされていた〔東京工業大学原子炉工学研究所『鉛−ビスマス冷却材と keV 中性子捕獲断面積:α放射核210Poと210mBiの生成量評価のために』 。日本原子力研究開発機構核データ研究グループ「核データセンターニュース」第72号、2002年。〕。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「鉛冷却高速炉」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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