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長興山のシダレザクラ : ミニ英和和英辞書
長興山のシダレザクラ[ちょうこうざんのしだれざくら]
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〔語彙分解〕的な部分一致の検索結果は以下の通りです。

: [おさ]
 【名詞】 1. chief 2. head 
: [こう]
 【名詞】 1. interest 2. entertainment 3. pleasure 
: [やま]
 【名詞】 1. (1) mountain 2. (2) pile 3. heap 4. (3) climax 5. critical point 

長興山のシダレザクラ : ウィキペディア日本語版
長興山のシダレザクラ[ちょうこうざんのしだれざくら]

長興山のシダレザクラ(ちょうこうざんのシダレザクラ)は、神奈川県小田原市入生田(いりうだ)地区に生育するシダレザクラ巨木である〔渡辺、158頁。〕〔大貫、128頁。〕〔宗方、35頁。〕。このサクラは、小田原藩稲葉氏菩提寺であった紹太寺の敷地内に植えられていた。紹太寺は度重なる火事で大伽藍を喪失し、このサクラと360段に及ぶ石段などがここに残された〔〔〔。シダレザクラの名木として知られ、小田原市指定天然記念物やかながわ名木100選に選定されている〔〔かながわ名木100選 一般社団法人日本樹木医会神奈川県支部ウェブサイト、2013年3月10日閲覧。〕〔 かながわ名木100選 一般社団法人日本樹木医会神奈川県支部ウェブサイト、2013年3月10日閲覧。〕。
== 由来 ==
箱根登山鉄道入生田の駅で降りて、登り勾配の道を15分から20分歩くと、1本の大きなシダレザクラの木が見えてくる。この木が長興山のシダレザクラで、推定の樹齢は300年以上という〔〔。2007年(平成19年)の時点においては、樹高は12.7メートル、主幹の胸高〔「胸高直径」、または「胸高周」ともいい、立木と人が並んで立った時、人の胸の高さにあたる部分の直径を指す。日本の場合は、胸高は1.2mの部分で測定する。〕〔住宅用語大辞典 胸高直径(ムナダカチョッケイ) SUUMO 2013年3月10日閲覧。〕〔建築用語 胸高直径 建築情報.net 2013年3月10日閲覧。〕は4.66メートル、根元周囲は8.0メートル、枝張りは東に10.3メートル、西に7.1メートル、南北にそれぞれ10.3メートル、9.3メートルを測る〔。樹形はよく整っていて、羽を広げた白鷺や仮眠をとる丹頂の姿に似ているなどと形容される〔宮嶋、100-101頁。〕。
このサクラが生育する場所には、かつて紹太寺という寺院の伽藍があった〔〔〔長興山紹太寺 小田原市公式ウェブサイト、2013年3月10日閲覧。〕。紹太寺は黄檗宗に属し、山号を長興山という〔紹太寺のゆかりと長興山の見どころ 長興山紹太寺ウェブサイト、2013年3月10日閲覧。〕。紹太寺は江戸時代初期に小田原藩の藩主を務めた稲葉氏一族の菩提寺であった〔。創建時は小田原城の城下、東海道筋の山角町(やまかくちょう)にあったが、1669年(寛文9年)に小田原藩第2代藩主稲葉正則が入生田の地に移転した〔〔〔〔小田原の町名・地名(1) 小田原市公式ウェブサイト、2013年3月10日閲覧。〕。開山は隠元禅師のもとで修行に励んだ鉄牛道機で、東西十四町七十間、南北十町十六間に及ぶ広大な境内に七堂伽藍を備えた一大寺院となった〔〔。当時の紹太寺について、オランダ商館付の医師として日本に滞在していたエンゲルベルト・ケンペルは1691年(元禄4年)にこの寺院の前を通りかかり、『江戸参府旅行日記』でその広壮さについて言及している〔〔。このサクラは、紹太寺が入生田の地へ移転してきた時に庭園樹として植栽されたものと推定されている〔。
紹太寺は安政年間(1854年 - 1860年)に火災に遭って大伽藍の殆どを焼失し、子院の清雲院が紹太寺の寺号を引き継いだ〔〔〔。唯一残っていた総門も1915年(大正4年)に焼失し、サクラと360段に及ぶ石段、稲葉氏一族の墓8基と開山鉄牛和尚の寿塔などの文化財が残され、跡地はミカン畑に変じた〔〔。その後サクラの周囲は整備され、史跡めぐりのハイキングコースの一部としても知られるようになった〔〔〔。
サクラの巨木がほとんど存在しない神奈川県下では、有数のシダレザクラの名木と評価され、1957年(昭和32年)3月30日に小田原市の天然記念物に指定された他、1984年(昭和59年)にはかながわ名木100選に選定された〔〔〔長興山紹太寺のしだれ桜 小田原市公式ウェブサイト、2013年3月10日閲覧。〕。毎年3月下旬から4月上旬頃が見ごろで、花見時には多くの人々でにぎわい、入生田駅からは行列ができるほどである〔〔〔。
1989年(平成元年)と1991年(平成3年)の2度にわたって樹木医が枯れ枝の切除や根元の治療、支柱設置などを行っているが、樹勢の衰えが懸念されていた〔〔〔長興山紹太寺、江戸時代から愛されるしだれ桜がクローンで命継ぐ/小田原 カナロコ 2月18日(月)19時0分配信 2013年3月10日閲覧。〕。そこで住友林業クローン苗木の提供を申し出た〔〔。2003年(平成15年)から始まったクローン苗木の増殖は、原木の樹齢の古さによって芽の成長に時間がかかったり、効果的な培養液の調合を試みたりの苦労を重ねた末に2009年(平成21年)に増殖に成功した〔〔。クローン苗木は、小田原市内の小田原こどもの森公園(わんぱくランド)や紹太寺の境内に植栽されている〔〔クローン桜を小田原市に寄贈 2013年2月15日のお知らせ 長興山紹太寺ウェブサイト、2013年3月10日閲覧。〕。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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