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阻塞弾発射機(そさいだんはっしゃき)とは第二次世界大戦中に日本軍が開発した対空兵器の俗称である。発射器の名称は七糎打上筒および八糎打上筒である〔佐山『日本陸軍の火砲』237、252頁〕。また昭和15年から昭和17年まで口径4cmの打上筒と弾薬が開発されたがこれは実用には至らなかった〔佐山『日本陸軍の火砲』236、251頁〕。 == 概要 == 開発のコンセプトは、超低空に侵入し攻撃をかける敵機から部隊を防御するため、低空に浮遊する弾幕を作るというものである〔猛部隊参謀長『猛方兵弾第161号』2画像目〕。弾幕を構成する砲弾は阻塞弾と呼ばれた。七糎打上阻塞弾は内部に7個の子弾を詰めており、高度400mほどに打上げられた後に破裂して子弾を放出する。子弾の内部には1個の爆筒が収められ、子弾はこの爆筒をさらに打ち出し、50mほどの距離に散布する。子弾のケーブル長が1mの場合、カーチスP40の受弾面積は18平方mと計算された。爆筒の間隔が上下左右約25mの時、命中公算は3%と算定された。阻塞弾数発を打上げてこの上下左右25mの圏内に爆筒20個が浮遊する場合には命中公算が15%となり、さらにこうした弾幕地帯が複数存在すれば命中公算は50%程度になると見込まれた。またケーブル長を伸ばすことで命中公算が高くなった。用法としては筒を多数陣地に配備し、連続発射によって弾幕を作った。砲列を作るには、風上に向かって支柱を地面に刺し、風速と高度に応じて射角を与える。陣地には20門程度を配備し、毎分20発程度を打上げる〔佐山『日本陸軍の火砲』250頁〕。 この兵器の長所は多かった〔佐山『日本陸軍の火砲』236頁〕。 * 量産が容易で軽量 * 訓練未熟な兵員でも扱え、照準不要 * 夜間でも照明無しに使用可能 * 輸送船上やジャングルでも使用が可能 ただし以下の欠点があった〔佐山『日本陸軍の火砲』236頁〕。 * 有効高度が低い * 相当多数の弾薬を必要とする * 連続した陣地から一斉に弾幕を構成する必要がある この発射器と弾薬は、陸軍技術本部が昭和15年から開発を行っており、同年11月の富士演習場における機甲演習において初公開された。昭和16年10月には各種機関に実用試験を依託し、改修を加えれば実用価値があると評価された。ただし改修内容は打上げ高度を800mに延長するなど実現が難しく、整備は改修を加えないままに進められた。七糎打上筒の仮制式制定は昭和19年8月の改修後である〔佐山『日本陸軍の火砲』236、237頁〕。昭和19年3月には試製八糎打上筒と弾薬が完成し、5月10日に仮制式制定された〔佐山『日本陸軍の火砲』252、253頁〕。 阻塞弾は海軍も使用し、呉軍港への空襲の際に5機の敵艦載機を撃墜したとされる〔佐山『日本陸軍の火砲』253頁〕。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「阻塞弾発射機」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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