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オリーブ(橄欖、 、学名:''Olea europaea'')は、モクセイ科の常緑高木。果実がオリーブ・オイルやピクルスを作るときに利用されている。種子の油は、オリーブ核油 olive kernel oil といい、オリーブ油よりも品質が劣る。 ==概要== 地中海地方が原産とされ、葉が小さくて硬く、比較的乾燥に強いことからスペインやイタリアなどの地中海地域で広く栽培されている。 多くの品種では自家受粉できない。DNAが同一の花粉には反応せず実をつけないことが多い。このため、オリーブは2本以上隣接して植えた方がよいとされる。 紀元前700年頃から古代ギリシアはオリーブの栽培によって国力を蓄え、今日の産油国のように繁栄を迎えた。オリーブには希少価値があり、ヘロドトスは紀元前5世紀頃に「アテナイを除き、世界のどこにもオリーブの木は存在しない」と記述している。ギリシアが地中海各地に植民市を建設するとともに、オリーブの木も移植されていった。紀元前370年頃イタリア半島に移植され、やがてオリーブの主要生産地の一つとなった〔ビル・ローズ著 柴田譲治訳『図説:世界史を変えた50の植物』 原書房、2012年、pp140-143〕。 日本での栽培は香川県小豆島で1910年頃はじめて成功した。現在は香川県、岡山県や兵庫県、九州などで栽培されている。なお、果実から種を取り出すための専用器具も販売されている。 日本語では「橄欖(かんらん)」と呼ばれることもあるが、橄欖は本来オリーブとは全く異なるカンラン科の常緑高木である(カンラン (カンラン科)参照)。これは、オリーブに似た緑色の鉱物オリビン(olivine)を和訳する際に、まったく違う樹木である橄欖の文字を誤って当てて「橄欖石(かんらんせき)」と名づけてしまい、植物のほうも同様に誤字が流布してしまった結果であるという説がある。ただし、明治初期に和訳された新約聖書マタイによる福音書のなかに「橄欖山の垂訓」があり、当時はオリーブを用法の似た「かんらん」と混同ないし、同一視されていたため、鉱物の誤訳説には疑問がある。また別の説では、カンランの果実を塩蔵したものを英語で chinese olive と称したことによるとも言われる。オリーブの実は生食には適さず、一口噛んだだけでも数時間、口の中が渋みでしびれた状態が続き、味覚も低下する。 オリーブの木材は硬く(爪の先で押してもほとんど傷つかない)重く(比重は約0.9)緻密で、油分が多く耐久性があり、装飾品や道具類、特にまな板、すりばち、すりこぎ、スプーン、調理用へらなどの台所用品を作るのによく用いられる。木製品としてはかなり高価である。日本では印鑑の材料にされることもある。辺材は黄白色、心材は黄褐色で、褐色の墨流しのような不規則なしま模様がある。オリーブ材の加工はフランス・イタリアなどで盛んだが、ヨーロッパのオリーブは幹が細いものが多く、加工用のオリーブ材はチュニジアなどのアフリカ産が多い。日本でも小豆島でオリーブ材をわずかに生産している。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「オリーブ」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Olive 」があります。 スポンサード リンク
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