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阿育王 ( リダイレクト:アショーカ王 ) : ウィキペディア日本語版
アショーカ王[あしょーかおう]

アショーカ(、IAST:、、訳:無憂〈むう〉、在位:紀元前268年頃 - 紀元前232年頃)は、マウリヤ朝の第3代の王である。漢訳音写では阿育王と書かれる。インド亜大陸をほぼ統一した。釈尊滅後およそ100年(または200年)に現れたという伝説もあるアショーカ王は、古代インドにあって仏教を守護した大王として知られる。アショカとも表記される。
== 生涯 ==

=== アショーカに纏わる伝説 ===

前王ビンドゥサーラ(漢訳音写:頻頭沙羅)の息子であったと伝えられる。ある伝説ではビンドゥサーラの剃毛師(ナーピニー Napini)をしていたダンマーという女がチャンパーバラモンの娘であったことが発覚したため正妃とされ、ビンドゥサーラとその女の間にアショーカとヴィータショーカという息子が生まれた。
同じく伝説の域を出ない話であるが、アショーカは父ビンドゥサーラと不和であり、タキシラで反乱が発生した際ビンドゥサーラは軍も武器も与えずに反乱鎮圧に向かうようアショーカに命じた。この状況を心配した家臣の1人が「''王子よ、軍も武器もなしに我々は何を用いて誰と戦うのでありましょうか?''」と問うとアショーカは「''もしも私が王者に相応しいほどの善根を持つならば軍と武器が現れるであろう''」と答えた。すると神々は大地を割ってその裂け目から軍と武器を出し、アショーカに与えた。これを聞いたタクシラの住民達は道を清めてアショーカを大歓迎し「''我々はビンドゥサーラ陛下にもアショーカ王子にも叛いているのではありません。ただ悪しき大臣が我々に害を与えたためにこれを討ったのみです。''」と言いアショーカは同地の人々の尊敬を得て支配権を得た。
一方スリランカの伝説ではアショーカはインド南西部のウッジャインの反乱鎮圧を命ぜられ、鎮圧には成功したものの負傷してしまった。そしてこの時彼を看護した商人の娘デヴィと結婚した。
アショーカの王子時代はこのような曖昧な伝説をもとに再構築するしかないが、彼の即位の経緯なども含めて、父王ビンドゥサーラとの対立があったことが推測される。
ビンドゥサーラが病に倒れると、彼は長男スシーマ(スリランカの伝説ではスマナ)を後継者とするよう遺言したと言われている。しかしアショーカは急遽パータリプトラを目指して進軍し、スシーマと争ってこれを殺し他の異母兄弟の多くも殺して王座を手に入れたと言う。
仏教の伝説では、アショーカは99人の兄弟を殺した。即位した後には、彼の通った所はすべて焼き払われ草木が一本も生えていない、といわれるほどの暴君だったが、あまりにも無残な戦争(カリンガ王国征服)を反省し仏教に深く帰依したとされる。これは恐らく後世の仏教徒たちがアショーカ王の仏教改宗を劇的なものとするために殊更に改宗前の残虐非道を書き連ねたものと考えられる。アショーカ王時代の記録には彼の兄弟が何人も地方の総督の地位にあったことが記されており、少なくとも兄弟の殆どを殺害したという仏典の伝説とは一致しない。また、仏教だけではなく、広くさまざまな宗教を保護したことがわかっている。
同じく仏典の記録によれば、彼は即位した後も即位の儀式を行う事が出来ず、更に大臣達も自分達の協力によってアショーカが王位に就く事が出来たのだと考えアショーカを軽視したという。アショーカは大臣達が自分の命令に従わないことに怒り500人の大臣を誅殺したと伝えられる。
また『雑阿含経』巻23には、アショーカ王の前世の因縁について次のような説話がある。釈迦仏アーナンダーを連れて王舎城(ラージャグリハ)で行乞していると、上姓(闍耶=じゃや、徳勝童子)と次姓(毘闍耶=びじゃや、無勝童子)の2人が沙(砂)で遊んでいた。2人は釈迦を見ると喜び、徳勝は釈迦に細沙(砂の餅)を作って供養し、無勝は合掌した。釈迦はアーナンダーに「この童子は私が滅度して100年後に華氏城(パータリプトラ)で転輪聖王になるであろう。姓は孔雀、名を阿育といい、仏の法をもって国を治め、8万4千の仏塔を建立して供養し衆生を安楽にするであろう」と言った。この予言の通り、頻頭沙羅王の子として、徳勝は無憂、無勝は離憂という名前で生まれたとされている。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Ashoka 」があります。




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