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飛鷹型航空母艦(ひようがたこうくうぼかん)は、かつて大日本帝国海軍に在籍した航空母艦の艦級の一つ。建造途中の民間高速客船を取得し、航空母艦に改装したものである。同型艦は2隻(飛鷹・隼鷹)。海軍の公式類別上では隼鷹型である。竣工当初は特設軍艦のうちの特設航空母艦に類別されていたが、後に軍艦に編入され航空母艦に類別された。 == 概要 == 日本海軍は、造船業界の不況対処および戦時の優秀船舶確保のために、一部の民間造船所および建造船舶に補助を与えていた。1938年(昭和13年)より計画が開始された日本郵船の大型高速客船・橿原丸と出雲丸も、建造にあたり大型優秀船建造助成施設を適用されて、日本海軍から建造費用の6割の補助を受けていた。これは有事の際に航空母艦として改装できるような設計をとることが条件となっており、空母の状態から逆算して客船の設計を行っている〔#川崎戦歴p.72〕。当初、九六式艦上戦闘機12機、九六式艦上攻撃機18機、九七式艦上攻撃機18機が予定されていたが、1941年になると零式艦上戦闘機15機(補用3)、九九式艦上爆撃機爆撃機20(補用2)、九七式艦上攻撃機18(甲板10機)、800kg爆弾54発、250kg爆弾198発、60kg爆弾348発、九一式改二魚雷27発搭載に変更となっている〔。 両船とも1939年(昭和14年)に起工したが、1940年(昭和15年)には時局を鑑み、客船としての工事を中止し、空母への改装が開始された。さらに翌年の1941年(昭和16年)には、海軍が日本郵船より買収し、飛鷹・隼鷹と命名された。 原計画が最大24ノットの高速客船であったこともあり、空母改装後は25ノットを出すことができた。25ノットという速力は、航空母艦として高速ではないものの、第一線の航空作戦活動を行うには、竣工当時十分なものであった。ただし大戦中期から登場し始めた新型機の運用には低速ゆえに困難が伴っている。艦載機用カタパルトを実用化できなかった日本海軍にとって大型高速化しつつあった艦載機(彗星、天山)の発艦問題、特に無風時、は深刻であり〔#川崎戦歴p.73〕、1944年(昭和19年)8月以降、発艦に補助ロケットを用いたケースがある〔。 艦橋は右舷前方にあり、欧米の空母で採用の艦橋、煙突一体のアイランドを日本海軍としては初めて採用した。煙突はそれまでの日本海軍空母の下方排出式と異なり、艦橋に付随した上方・右外側への斜め煙突でこの点は英米空母と異なる。これは、排煙による気流の乱れが艦載機の着艦を妨げるのを防ぐためのもので、当時建造中であった正規空母大鳳の事前実験として設置されたものであった。この斜め煙突は、のちに大和型戦艦から改造された空母信濃にも採用された。飛鷹は竣工時から艦橋に二号一型電探(対空レーダー)を装備している〔#川崎戦歴p.74〕。格納庫は二層で、エレベーターは飛行甲板の前部と後部に一基ずつ設置されている。 太平洋戦争においては、飛鷹・隼鷹の両艦により第二航空戦隊を編成、ミッドウェー海戦以降の空母機動部隊を支える中核戦力として活躍した。大戦後半の搭載機は零戦21、彗星18(9機は飛行甲板繋止)、天山9の合計48機だったという〔。これは、アメリカ海軍のヨークタウン級空母 の約半数で打撃力も半分であった。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「飛鷹型航空母艦」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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