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『雨月物語』(うげつものがたり)は、上田秋成によって江戸時代後期に著わされた読本(よみほん)作品。 5巻5冊。明和5年(1768年)序、安永5年(1776年)刊。日本・中国の古典から脱化した怪異小説9篇から成る。近世日本文学の代表作で、現代でも引用されることが多い(→#派生作品)。 == 概要 == 『雨月物語』は、諸説あるが、明和5年から安永5年の間に書かれ(→#出版経緯)、安永5年4月(1776年)に、京都寺町通の梅村判兵衛と大坂高麗橋筋の野村長兵衛の合同で出版された。全5巻、9篇の構成であった。挿絵は、桂宗信が描いた。桂は、当作品へ大いに影響を与えた都賀庭鐘『繁野話』の挿絵も担当している。『雨月物語』各篇に1枚ずつ、中篇の「蛇性の婬」だけには2枚の絵が載っている。 『雨月物語』は「剪枝畸人」名義で刊行され、作者は上田秋成であろう、とわかってきたのは彼の死後のことである〔高田(1997年)pp.443 - 444.〕。また、当時の売行きはごく普通のものであり、今日のように人気、評価に不動の地位を確立していた、というわけではないことが推測されている〔長島(1998年)p.50〕。 文学史上の位置づけとしては、『雨月物語』は建部綾足の『西山物語』などと同じ、元禄期と化政期の間、安永・天明文化期の、流行が浮世草子から転換しつつあった初期読本にあたる。後世には、山東京伝や曲亭馬琴へ強い影響を与えた〔大輪(1979年)pp.359 - 360〕。 内容は中国の白話小説の翻案によるところが大きい。当時の古典を踏まえつつ和文調を交えた流麗な文を編み、日本の要素や独自の部分を混ぜ、著者の思想が加えられている。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「雨月物語」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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