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電気けいれん療法(でんきけいれんりょうほう、電気痙攣療法)は、頭部(両前頭葉上の皮膚に電極をあてる)に通電することで人為的にけいれん発作を誘発する治療法である。ECT(electroconvulsive therapy)、電撃療法(electroshock theraphy: EST)、電気ショック療法(ES)とも言う。 ECTには大きく分けて、四肢や体幹の筋にけいれんを実際に起こすもの(有けいれんECT)と、筋弛緩剤を用いて筋のけいれんを起こさせないもの(修正型ECT、無けいれんECT)に分類され、用いる電流も「サイン波」型と「パルス波」型に分類できる。 1938年、イタリア・ローマのウーゴ・チェルレッティとルシオ・ビニ(Lucio Bini)によって創始された、元々精神分裂病(現在のほぼ統合失調症に当たる)に対する特殊療法として考案されたものである。日本では1939年に九州大学の安河内五郎と向笠広次によって創始された。その後、他の疾患にも広く応用されて急速に普及し、精神科領域における特殊療法中、最も一般化した治療法である〔精神科の治療指針 厚生省保険局 1961年10月27日〕。作用機序は不明である〔医学が歩んだ道 フランク・ゴンザレス・クルッシ 著 堤理華 訳 武田ランダムハウスジャパン 2008年 ISBN 9784270003657 p275〕。 多くの場合、ECTはインフォームド・コンセントを得たうえで、大うつ病、躁病、緊張病の最終治療手段として用いられている〔FDA. FDA Executive Summary . Prepared for the January 27–28, 2011 meeting of the Neurological Devices Panel Meeting to Discuss the Classification of Electroconvulsive Therapy Devices (ECT). Quote, p38: "Three major practice guidelines have been published on ECT. These guidelines include: APA Task Force on ECT (2001); Third report of the Royal College of Psychiatrists’ Special Committee on ECT (2004); National Institute for Health and Clinical Excellence (NICE 2003; NICE 2009). There is significant agreement between the three sets of recommendations."〕。 == 適用 == アメリカ精神医学会(APA)のECTガイドラインでは、精神病、躁せん妄、緊張病の伴う深刻な抑うつについて早期のECTを実施する明確なコンセンサスがあるとしている。APAの2009年ガイドラインでは予防段階でのECT使用を支持している。 英国国立医療技術評価機構(NICE)のECTガイドラインでは、深刻な抑うつ、継続する深刻な躁エピソード、緊張病のみに用いられるべき(should only be used)だとしている。成人の抑うつに対しては、急性期の深刻な抑うつであり、生命危機に迫った救急状況、もしくはその他の治療手法が失敗した場合に検討するとしている。標準的な抑うつに対しては繰り返しECTを行ってはならないが、だが複数の薬物治療と心理療法に効果を示さない場合は検討できるとしている〔。NICEは、再発性うつ病の予防のため長期のECTを行ってはならない、統合失調症の一般的管理にECTを用いてはならないと勧告しており、NICEの2009年の成人の抑うつ治療ガイドラインでも同じ立場である。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「電気けいれん療法」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Electroconvulsive therapy 」があります。 スポンサード リンク
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