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無給電中継装置(むきゅうでんちゅうけいそうち)とは、増幅装置を持たない中継装置である。パッシブリピータ()ともいう。 反射板を利用して屈折させるものが主流だが、2基のパラボラアンテナを背中合わせに組み合わせ、片方のアンテナで受信した電波を導波管でもう片方のアンテナに伝送し放出する形式も存在する。いずれの場合も電波の直進性を利用しているため、主に3GHzから30GHz帯のSHF帯の低めの周波数で利用されている。電力が不要であるため給電式の中継施設と比べるとコストを抑えることができる。 == 概要 == 通常、SHF帯の電波による無線通信を行う際には、無線局間(送信局と受信局の間)に固定障害物がないこと()が必須となる。しかし、山間部などで無線局との間に固定障害物を避けることが困難な場所においては、一旦別の無線局で電波を受けてそれを再送信する必要がある。通常はこれを中継局の形式で行うが、条件が整えば光に近い高周波数帯の電波(超短波・マイクロ波)は屈折がほとんど起こらない事を利用することで、指向性の高い高周波数帯の電波を発射し、その延長上に「電波を反射させる鏡状のもの」を設けることで中継局の設置を省略する場合がある。条件とは反射板と片方の中継局との距離が比較的短距離であること、反射板への入射角が一定以上であることなどである。 電波の反射に適した素材で出来た板(パラボラアンテナの反射器を平面状にしたようなもの)を設置するが、装置自体にアンテナの機能がなく(あくまでも電波を反射させるだけ)給電装置がないため無給電中継装置と呼ばれる。効率的に伝送するために反射面に平滑性が求められる。降雪や着氷は大敵であり降雪・寒冷地域ではその防止のために、風でなびいて反射面をこすることで除雪を行う紐状のものが反射板前面に設置されている。 能動的に中継を行う(中継局)と比較して、無給電中継装置は遥かに単純で、メンテナンスが少なくて済み、電源を必要としない。中継局ではフィードバックを防ぐために送受信の周波数を変える必要があるが、無給電中継装置ではその必要がない。欠点は、増幅を行わないので、反射された信号が弱くなることである。 山間部の集落やダムとの通信を行う機会の多い防災無線や、谷あいに設置される水力発電所近辺でよく見られる設備であり、山頂や山の中腹に板状の物体が見られることがある。2枚の反射板を組み合わせることで、元々到来してきた経路とほぼ同じ方角へ電波を中継することも多い。放送の分野ではあまり用いられないが、テレビ山口とエフエム山口は、山口市にある本局の演奏所(スタジオ等)と送信所である大平山(防府市)との間に稜線が立ちはだかっているため、それぞれ山口市内の山腹に自局用の無給電中継装置を設けている。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「無給電中継装置」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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