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麹塵(きくじん/きじん)とは、黄色みのある緑色(青色)の色の名である。青白橡(あおしろつるばみ/あおしらつるばみ)と同じ色と言われ、単に「青色」と言われることもあった。また、ヤマバトの色に似ていることから、山鳩色(やまばといろ)とも言う。 ==麹塵== 麹塵は、後漢に成立した『周礼』の鄭玄注に、王后の着る鞠衣の色を「鞠塵の如し」と説明しているのがもっとも早い言及とされる〔小嶋汀「和様の成立: 特に青色について」関東学院女子短期大学『短大論叢』28巻、1966年。〕。この色は、コウジカビの菌糸の色と考えられるが、中国の麹の菌糸は黄色であり、中国における麹塵(鞠塵)は黄色(淡黄色)と考えられる。20世紀初頭の中国の辞書『辞源』は、麹塵(鞠塵)は酒麹の菌の色で淡黄色であるとしている〔。 唐代中期以降、麹塵は白楽天等の詩で用いられる文学的表現となり、特に『白氏文集』に「柳が麹塵の糸をつらねる」といった柳の形容に用いる例が繰り返し見られる。これは柳の枝が黄色の小花をつけた様子を詠んでいる。また春の水を「麹塵波」とする表現も見られる〔。『全唐詩』の索引によれば、「麹塵」は『白氏文集』の用例が圧倒的に多く、その他も中唐以降に限られるようである。また敦煌莫高窟出土の古文書の染織品の色名においても中唐〜晩唐の用例が多く、この時期の流行色であったと思われる。 日本では、寛平7年(895年)に鴻臚館において渤海使を接待した際に、渤海使と詩を交わした進士10人が「麹塵衣」を着たとあるのが、早い例である(『北野天神御伝』)〔。その後も、行幸や内宴の際の臣下の袍の色として麹塵が見られ、また菅原道真の詩等にも「麹塵」の語が見える〔。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「麹塵」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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