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非電離放射線(ひでんりほうしゃせん、Non-ionizing radiation:NIR)とは、原子や分子を電離させる(原子や分子の周りを回っていた電子を原子の力が及ばない距離まで引き剥がす)のに十分なエネルギーは持たない放射線であり、こういったものには音波、可視光線、マイクロ波がある〔"Ionizing & Non-Ionizing Radiation" 〕〔What Is Radiation? 〕〔Definition of Radiation 〕。国際放射線防護委員会では、「物質との相互作用の主要モードが電離でない所の放射線」と定義し、電子ボルト単位でエネルギーが10eV以下のもの、波長では近紫外線から低周波領域までとしている〔『物理学辞典』、培風館、2005年、ISBN 4-563-02094-X〕。ただし、広義には電場・磁場・超音波などまで含めることがある〔。物体を通過しても荷電イオンは生成せず、励起、つまり電子をより高い準位に移動させるだけのエネルギーしか持たない。しかしながら、様々な生物学的影響が、それぞれの非電離放射線にあることが確認されている〔Non-Ionizing Radiations – Sources, Biological Effects, Emissions and Exposures |journal=Proceedings of the International Conference on Non-Ionizing Radiation at UNITEN ICNIR2003 Electromagnetic Fields and Our Health 20 – 22 October 2003 Kwan-Hoong Ng 〕〔Static Electric and Magnetic Fields and Human Health John E. Moulder 〕。 非電離放射線に分類される光線や電波として近紫外線、可視光、赤外線、マイクロ波、また低周波が挙げられる。可視光および近紫外線は物質に対し電離(光化学反応)を起こすと同時にラジカル反応を促進させる。ワニスの老化や、感光によるビールの劣化などもこれらの反応が原因である〔Photochemical & Photobiological Sciences, 2004, 3, 337-340, DOI: 10.1039/b316210a 〕。太陽から地球に降り注いでいる光線の大半が非電離放射線であるが、一部の紫外線という重大な例外が存在する。しかし殆どが地球の大気中で吸収される為地上には届きにくい。なお、静電磁場では電離放射線は発生しない〔Static Electric and Magnetic Fields and Human Health John E. Moulder 〕。 == 健康被害 == 非電離放射線は生態組織内で熱エネルギーを発生させ火傷を引き起すなどの非突然変異効果をもたらす。 生物学的影響に基づくとスペクトラムの非電離放射領域は以下のように分けられる。 # 光放射領域。電子が励起される(可視光、赤外領域)。 # 人体よりも波長が短い領域。誘導電流による発熱を伴う(マイクロ波及び高周波)。 # 人体よりも波長が長い領域。誘導電流による発熱はほとんど起こらない(低周波、電力低周波、静電磁場)〔Static Electric and Magnetic Fields and Human Health John E. Moulder 〕。 これらのことから、波長が短いほど急激な反応が起こると考えることができる。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「非電離放射線」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Non-ionizing radiation 」があります。 スポンサード リンク
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