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顔のない眼[かおのないめ]
『顔のない眼』(かおのないめ、、)は、1959年製作の映画。公開は1960年。フランス・イタリア共同製作。監督:ジョルジュ・フランジュ、出演:アリダ・ヴァリ、ピエール・ブラッスールほか。フランス語による白黒フィルム。怪奇色を帯び、残酷なシーンもあるが、抒情的な映像を作り出しており、登場人物の苦悩や罪悪感などの心理も的確に描き出された佳品である。 == あらすじ == 若く美しい娘クリスティーヌは、交通事故で顔全面に火傷を負い、凄惨な形相になってしまった。今は森に囲まれた郊外の屋敷で、仮面を着け、人目を避けて、父親と父の助手の女性と共に暮らしている。父のジェネシュ博士は高名な医師で、娘の顔を元通りにするために、他の若い女性の顔の皮膚を切り取って移植しようとする。むろん法的にも倫理的にも不可能な話で、博士は助手を使って女性を誘拐し、麻酔で眠らせてメスで顔面の皮膚を切り取り、クリスティーヌの顔に移し替える。 クリスティーヌは、一度は元通りの美しい顔を取り戻した。しかし安堵したのもわずかな期間で、移植した皮膚は次第に崩れ落ち、最後には元のような醜い顔に戻ってしまい、彼女はまた仮面を着けなくてはならなかった。その間、顔の皮膚をはがされた方の娘は包帯でぐるぐる巻きにされたまま2階の窓から飛び降り、死んでしまう。クリスティーヌは孤独である。実験用に飼われている大きな犬たちだけがわずかに心を慰めてくれる以外は、屋敷の中には話し相手もいない。ジェネシュ博士は、クリスティーヌのためと言うより、自分の研究のためにこんな事をしているのだろうか? 父親は無残な顔の娘に嫌悪しか示さない。 警察は女性の行方不明事件を受け、不良傾向のある娘ポーレットを使っておとり捜査に乗り出した。ある夜、ポーレットはジェネシュ博士に捕らえられ、手術室に運び込まれる。しかしクリスティーヌは助手を刺殺して彼女を逃がし、犬の入っていた檻を開け放つ。博士は外に出た猛犬たちにかみ殺され、血みどろの死体となって横たわった。クリスティーヌは仮面を着けたまま、ドレスの長い裾を引いて夜の森の奥へゆっくり歩み去る。
抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「顔のない眼」の詳細全文を読む
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