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(n) flight deck =========================== ・ 飛 : [ひ] (n) (abbr) rook (shogi) ・ 飛行 : [ひこう] 1. (n,vs) aviation ・ 飛行甲板 : [ひこうこうばん, ひこうかんぱん] (n) flight deck ・ 行 : [くだり, ぎょう] 【名詞】 1. (1) line 2. row 3. (2) verse ・ 甲板 : [かんぱん, こうはん] 【名詞】 1. (ship) deck ・ 板 : [ばん, いた] 【名詞】 1. board 2. plank
飛行甲板(ひこうかんぱん、英語:flight deck)とは艦船における航空機運用のための甲板のこと。ヘリコプターのみを対象としている場合はヘリコプター甲板、ヘリ甲板とも言う。 飛行甲板は航空母艦にとって最も重要なものであり、黎明期の一部の艦を除いて艦首から艦尾まで通じた全通甲板となっている。強襲揚陸艦/ヘリコプター揚陸艦においても、全通形式の飛行甲板を有しているものがほとんどである。 文献・書物・作品によっては航空甲板という用語が用いられる場合も多いが、基本的に飛行甲板と同義である。 == 概要 == ヘリコプター/垂直離着陸機を除き、航空機の発着には滑走スペースが必要である。艦船上における滑走スペースが飛行甲板と称される。 世界初の飛行甲板は、アメリカ海軍の軽巡洋艦「バーミングハム」に設置されたものであった。前甲板に飛行甲板として滑走台が設置された。これは、木製で仮設のもので、艦橋から艦首まで占め、前方へ傾斜していた。1910年11月14日にユージン・バートン・イーリーがカーチスD複葉機を操縦し、そこから離艦している。 1911年1月18日にはサンフランシスコ湾上で着艦実験が、同じくユージン・バートン・イーリーの操縦するカーチスD-IV複葉機によって行われた。装甲巡洋艦「ペンシルベニア」の後甲板に特設の飛行甲板が設けられ着艦および発艦に成功している。「ペンシルベニア」の飛行甲板には現代の空母が装備しているものにつながる着艦する飛行機を制動する仕組み、横索式のアレスティング・ワイヤーが設けられていた。ペンシルベニアの時点ではアレスティング・ワイヤーに適切な制動力を制御して与える仕組みの開発が行われていなかったため、ワイヤーの両端を砂袋に結びつけ、着艦する機体に装備されたアレスティング・フックに引っかけられたワイヤーが砂袋を引きずる抵抗を制動力とした。 世界初の航空母艦である「フューリアス」は、1917年の改装により前部砲塔を撤去し、前甲板を飛行甲板にした。艦中央に艦橋・煙突、艦後部に砲塔を残したままであった。当初は発艦のみを行い、後には艦橋を越えてから横滑りで着艦する運用を行ったが、運用性が高いものではなかった。そのため、1917年中に艦後部も着艦用の飛行甲板に改装された。艦橋は残ったままであり、滑走スペースの不足や艦の前後への機体の移動が不便であった。1922年の改装により、全通甲板へと改められ、滑走距離が確保され、航空機運用が容易となった。1920年代の「鳳翔」や「ハーミーズ(初代)」では新造時より全通形式の飛行甲板を有していた。 「フューリアス」のほか、グローリアス級航空母艦、「赤城」、「加賀」では一時期、多段式の飛行甲板を有した(多段式空母)。「フューリアス」・グローリアス級航空母艦は2段、「赤城」・「加賀」は3段である〔しかし「赤城」・「加賀」の2段目は主砲等の障害物が多く実際の発艦に用いられることはなかった。〕。当時の艦上機は複葉機で発艦・着艦に要する滑走距離が非常に短かったため、最上段を離着陸に用い、中・下段でも同時発艦を狙うものであった。しかし、航空機の高性能化で、より長い滑走距離が求められるようになると、最上段の全長が制限される上に下層の飛行甲板も設置位置が必然的に低くなってしまうため多段式飛行甲板は不便であった。そのため、後年すべての空母が一段式の全通甲板に改装されている。 1940年代までの飛行甲板は直線状であり、着艦失敗機が艦前部に駐機中の機体に衝突する恐れがあり、そのまま再度発艦して着艦をやり直すことも不可能であった。1950年代にイギリス海軍でアングルド・デッキが考案され、1952年にイギリス海軍の「トライアンフ」で試験が開始された。当初は、甲板形状を変更せず、着艦ラインを艦首尾線に角度をつけたものであった。これは、着艦の復行が行いやすくなり安全性が向上するほか、発着艦が同時に行える利点があった。このため、アングルド・デッキはさらに発展し、着艦帯方向にも飛行甲板が拡張されるようになり、20世紀後半以降の大型空母では飛行甲板が左右非対称となっている。イギリス海軍でも1950年代から既存空母にも改装により取り付けられたほか、アメリカ海軍のエセックス級航空母艦やミッドウェイ級航空母艦にも改装取り付けが行われた。角度については、ニミッツ級航空母艦で9度となっている。 陸上の滑走路と異なり、面積が限られている飛行甲板においては、発着艦を援助する設備が設けられている。 発艦の支援としては、カタパルトが設置され短い滑走距離での発艦を可能としている。航空母艦用のカタパルトは第二次世界大戦直前に実用化された当初は油圧式であったが、1950年代により高出力の蒸気式へと発展し、将来的には電磁式が構想されている。 インヴィンシブル級航空母艦をはじめとするV/STOL空母(軽空母)ではカタパルトは有さないが、スキー・ジャンプ甲板により搭載機の発艦を助けている。「アドミラル・クズネツォフ」もCTOL空母ではあるが、STOBAR方式によりスキー・ジャンプ甲板を有している。 着艦の支援としては、着艦機に急制動をかけるアレスティング・ワイヤーが設置されている。前述のように1911年のペンシルベニアにおいて既にアレスティング・ワイヤーの横索式理論は存在していたが、横索式アレスティング・ワイヤーは空母で連続して用いるには制動装置の実用化が不可欠であり、その開発には16年を要した。その間にイギリス・日本で建造された空母には縦索式アレスティング・ワイヤーが設置されたが制動能力に著しく劣り問題が多かった(詳細は「''アレスティング・ワイヤー''」参照)。フランスで1927年に建造された空母「ベアルン」で横索式アレスティング・ワイヤーが実用化された後、各国がこの技術を導入して1931年までに各国の空母のアレスティング・ワイヤーは横索式に統一された。飛行甲板形状が直線形状だった時代は10~18本と多数のアレスティング・ワイヤーが設置されていたが、アングルド・デッキの実用化により着艦やり直しが容易となった後は4本もしくは3本と少数のアレスティング・ワイヤーが設置されるようになっている。 このほか、ジェット排気が他所への影響を与えないように、ブラストディフレクターが甲板に埋め込まれており、使用時には甲板より立ち上がり、排気を上方へ逃がしている。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「飛行甲板」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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