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飛騨川流域一貫開発計画(ひだがわりゅういきいっかんかいはつけいかく)とは、岐阜県を流れる一級河川である木曽川の支流、飛騨川を中心として行われた大規模な水力発電計画である。 1962年(昭和37年)より開始されたこの計画は、古くは1911年(明治44年)より日本電力〔関西電力の前身。〕、東邦電力〔中部電力の前身。〕、日本発送電を経て中部電力により進められ、飛騨川の本流・支流に多数の水力発電所を建設。発生した電力を主に名古屋市を中心とした中京圏へ送電することを目的としており、23箇所の水力発電所で総出力114万3,530キロワット〔社団法人電力土木技術協会『水力発電データベース』 2010年3月19日閲覧〕の電力を生み出している。 == 地理 == 飛騨川は木曽川水系における最大級の支流である。乗鞍岳と御嶽山の中間、小説・映画『あゝ野麦峠』で知られる岐阜・長野県境の野麦峠(標高1,672メートル)を水源とし、高山市を西、後に宮峠付近より南へと流れ下呂温泉で名高い下呂市を貫流。流域最大の支流・馬瀬(まぜ)川を下呂市金山町の金山橋付近で合わせた後は概ね南西に流路を取り、美濃加茂市において木曽川に合流、太平洋に注ぐ。流路延長約148.0キロメートル、流域面積約2,177平方キロメートルの河川であり〔『飛騨川 流域の文化と電力』p.375〕、規模としては木曽三川に包括される揖斐川(長さ約121.0キロメートル、流域面積約1,840平方キロメートル)〔『日本の多目的ダム 直轄編 1990年版』p.471〕、長良川(長さ約165.7キロメートル、流域面積約1,985平方キロメートル)〔『日本の多目的ダム 直轄編 1990年版』p.473〕に匹敵し、特に流域面積については木曽川水系では最大の面積を有する。なお、かつては源流の野麦峠から馬瀬川合流点までを「益田(ました)川」、馬瀬川合流点より木曽川合流点までを「飛騨川」と呼称していたが、1964年(昭和39年)に河川法が改訂され、水系一貫管理の観点から源流より木曽川合流点までの全域が1965年(昭和40年)に「飛騨川」と改称された〔『飛騨川 流域の文化と電力』p.407〕。 飛騨川は流域のほとんどを山地で占め、本流は飛騨木曽川国定公園に指定されている中山七里や飛水峡といった険阻な峡谷を形成しており概ね急流である。また飛騨山脈を始めとする豪雪地帯が流域の大半を占めるため、年間の総降水量が約2,500ミリと多雨地帯でもある。このため急流・高落差・豊富な水量という水力発電開発の好条件を全て備える河川であり、只見川や黒部川、庄川、熊野川などと並んで明治時代より水力発電の好適地として注目されていた。飛騨川における河川開発はそのほとんどが水力発電に基づくものである。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「飛騨川流域一貫開発計画」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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