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飽和潜水(ほうわせんすい、Saturation diving)とは、深海の水圧に体をさらしつつ、超大深度への潜水を実現するための技術。これによって、100メートル以上の深度でも安全に長時間の活動ができるようになり、潜水病の危険も減った。最大では700メートル以上を潜ることも可能とされている。 == 原理と手法 == === 基本原理 === 大深度に潜るとき、最大の脅威となるのが減圧症である。人体が深海の水圧にさらされると、その圧力によって、呼吸するガスの中に含まれる窒素などが、生体の組織内に溶け込んでいく。これとは反対に、浮上する際には、周囲の圧力が低下するにつれて、生体組織に溶けきれるガスの量は減少してゆく。これによって、生体に溶け込んだガスは過飽和状態となる。健康な人の場合なら、ある程度のガスは自然に排出されるので、安全のための基準を満たして浮上すれば、めったに危ないことにはならない。しかし、浮上速度があまりに速かった場合や、体調に不備があったとき、余分のガスが気泡として体の中にあらわれることになり、塞栓など、一般に減圧症として知られる症状を呈することになる。 ここで、生体組織に溶けきれるガスの量は一定であることが重要である。つまり、ある深度に一定以上の時間いた場合、ガスは、もうそれ以上人体には溶け込まないようになる(飽和状態となる)。とすると、ある深度で安全に浮上するために必要な時間は一定であるから、同一の深度にいる場合には、その深度に長くいればいるほど潜水効率は向上する。これが飽和潜水の基本的な原理である。例えば、水深90メートルから安全に浮上するには、約6時間半もの時間をかける必要があるが、とするならば水深90メートルで作業する場合には、40分だけ作業するよりも、2時間作業するほうが潜水効率が高くなるということである〔。 ただし、基本原理は上記のとおりではあるが、飽和状態になるまで潜った場合、安全に浮上するのにかかる時間は非常に長くなる。海中に身一つで、この長い浮上時間を過ごすことは、極めて単調かつ過酷であるし、実際問題として、危険でもある。浮上時間は、呼吸ガスの濃度を適切に管理することによって短縮できるが、こんな状態で、ガス濃度を迅速・正確に把握することは決して容易ではない。 このことから、実際に飽和潜水を行う際には、地上・船上で高圧環境を実現するための再圧タンク(DDC:Deck Decompression Chamber) 、および、高圧環境を維持したままで再圧タンクから海底までを往復するためのベル(PTC:Personnel Transfer Capsule)が使用されることが多い。この場合、潜行と浮上に相当する部分については、地上・船上の再圧タンク内で圧力を増やしたり減らしたりすることで代用でき、海中では実際の作業潜水(エクスカーション)の間だけ過ごせばよくなったので、はるかに快適に潜水を実施できるようになっている。〔 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「飽和潜水」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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