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首都圏第3空港構想(しゅとけんだいさんくうこうこうそう)は、拡大する日本の首都圏の航空需要を満たすため、東京国際空港(羽田空港)や成田国際空港の両空港を補完する第3の空港を建設しようという構想である。 なお、調査検討途中にこの構想とは別に決定された百里基地軍民共用化の茨城空港が2010年3月11日に開港し、一部で首都圏第3空港として報道された。 == 経緯 == 日本国内・国外ともに旺盛な伸びを見せる航空需要によって、東京国際空港(羽田空港)や成田国際空港の容量が逼迫していることから、第六次空港整備五か年計画(1991-1995年)に組み込まれ調査事業として始まり、経済界において「首都圏新空港研究会」が設立され、新空港建設による国際線を含めた抜本的な空港容量の拡大を主張した〔社団法人日本プロジェクト産業協議会 〕。1996年、航空審議会答申の第七次空港整備五か年計画(1996-2000年)では首都圏第三空港を海上空港として事業着手する方針となり、1997年には七か年計画(1996-2002年)に変更され2000年9月には、政府が「首都圏第3空港調査検討会」を設け、候補地の地元からの提案などを集約しながら立地の優劣を検討することとなった。九十九里沖、木更津沖、海ほたるパーキングエリア利用、東京湾奥、中の瀬、本牧沖、川崎沖など15箇所の候補地が提案され、検討が開始された。 しかし、この検討に反応するかたちで、新空港を建設するよりも羽田をさらに拡張して容量を至急拡大すべきだという提案が東京都や定期航空協会等から出され、国土交通省も独自の羽田拡張案を示すなど、羽田の再拡張が有力な候補として浮上してきた。そして2002年1月に出された検討会の結論は、各候補地の基礎的な検討を行ったものの首都圏第3空港にあたる需要に対しては羽田の再拡張が妥当と結論付けられ、2010年10月から増設された4本目の滑走路が運用されている。 検討会の結論の中では、再拡張後でも需要が羽田に収まるともいえないことから、長期的には新空港としての第3空港の必要性がうたわれている。しかし、平行して茨城県では百里基地の共用化が決まり、横田基地の共用化も実現に向けて動き出したことや、「中の瀬」案でも滑走路一本で1.4-1.8兆円の事業費が必要で、自治体負担が前提となることもあってか、2002年10月29日、神奈川県知事、横浜市長、川崎市長の三者により「首都圏第3空港については、既存空港の活用を含めて議論を深める」ことが合意されており、横田基地の軍民共用化が支持を集め、新規の海上空港は宙に浮いているのが現状である。 技術革新によって超音速旅客機が実用化されれば、超音速旅客機の発着するスーパーハブ空港を有する都市が東アジア等の地域の主役になるといわれている〔東京都知事本部『首都圏における広域的課題の現状』、2002年1月 p.23 〕。首都圏空港のハブ空港化が行われなければ、神戸港がアジアのローカル港に脱落したように、日本の国際拠点空港も同じ運命になるとの指摘もある〔東京都知事本部『首都圏における広域的課題の現状』、2002年1月、p.20 〕。 経済界は、首都圏第三空港の位置づけとして当初は世界都市東京に相応しいアジア圏内一大集積化の国内、国際併用空港(国際ハブ空港)を求めていたが、現在は羽田空港完全国際24時間化を求めている。 なお、国土交通省は、2008年5月に、ビジネスジェットの専用ターミナルを首都圏の空港に設けるため、2008年度中に調査を始めることが読売新聞などの報道で明らかされたが、航空基地軍民共用化、桶川飛行場(埼玉県)や調布飛行場(東京都)などを視野に入れているとのことである。首都圏第3空港調査検討会では、首都圏第3空港として陸上に新空港を建設することや、自衛隊基地などを活用して首都圏第3空港とすることは困難と結論付けた。 また2020年の東京オリンピック開催に向けて、東京都の猪瀬直樹知事(当時)は、本格的に横田基地への民間機乗り入れを検討していた。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「首都圏第3空港構想」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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