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scented rice =========================== ・ 香り : [かおり] 【名詞】 1. aroma 2. fragrance 3. scent 4. smell ・ 米 : [こめ] 【名詞】 1. uncooked rice
香り米(かおりまい、)とは、米のうち、玄米に香りを持つ品種をいう〔猪谷2000、14頁。〕。麝香米〔猪谷2000、135頁。〕、匂い米〔、香子(かばしこ)〔、鼠米〔、有臭米〔とも呼ばれる。世界的に最も高価な米として流通しており〔猪谷2000、23頁。〕、特にインド・パキスタンのバスマティ〔猪谷2000、140-142頁。〕、タイのカーオホームマリ(通称ジャスミンライス)が有名である。香りは米だけでなくイネ全体から発せられ、特に開花中が強い〔。 == 性質 == そもそも米の香りは200以上の成分によって複合的に構成されているが、香り米の有力な香気成分は2-アセチル-1-ピロリン(アセチルピロリン)である〔猪谷2000、44頁。〕で、香り米に含まれるアセチルピロリンの濃度は普通米品種の数倍から数十倍にのぼる〔。アセチルピロリン以外にも、数種類のカルボニル化合物が香気成分として考えられている〔猪谷2000、47頁。〕。なお、香り米同士であっても品種によって微妙に香りが異なるが、その原因となる成分についてははっきりとは解明されていない〔。 香りの発現は、栽培中および収穫後の環境によって影響される。日本で行われた調査結果によると、標高が高く昼夜の気温差の大きい地域で栽培した方が香りが強い、施肥量を多くすると香りが弱くなる、出穂後30日を経過すると徐々に香りが薄くなる、高温で乾燥させると香りが失われるなどの特徴を有する〔猪谷2000、47-48頁。〕。また、香り米の有力な香り成分であるアセチルプロリンは米粒の外側に多く分布しているため、精白の歩合が高まるに従い香りが弱くなる〔猪谷2000、48-49頁。〕。しかし、環境の違いによって香りが変化するメカニズムについては未解明の部分が多い〔猪谷2000、49頁。〕。 香り米の香りは、アメリカではポップコーン〔〔やナッツのような匂いと形容される。その他、茹でた枝豆やアズキ〔〔、煎り大豆〔、スミレ〔にたとえられる。香りの感じ方には個人差があるが、一般に香りが強すぎると嫌われる傾向があり、強い香りを「ネズミの尿の臭い」と表現することもある〔。なお、香り米の香りは米だけでなく植物全体から発せられる。開花中は特に強い。中国の三国時代の文献には、開花時に畔を通れば気付くほどの香りを放つ品種の存在が記載されている。 香り米は吸肥力の強さに特徴があり、棚田などの環境不良田であっても育成が比較的容易である〔猪谷2000、25頁。〕。ただし肥料を多くやり過ぎると香りが少なくなる傾向がある〔猪谷2000、73頁。〕。病害虫〔〔猪谷2000、72頁。〕や環境の変化〔にも強い。一方、丈が長く倒れやすい、収量が少ないなどの短所も有している〔猪谷2000、15頁。〕。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「香り米」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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