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高マンガン鋼(こうまんがんこう)とは、炭素鋼にマンガンを12%前後加えた組成を持つ合金鋼である。発明者のロバート・ハッドフィールド(:en:Robert Hadfield)に因み、ハッドフィールド鋼とも呼ぶ。。 炭素鋼は、常温でフェライト(体心立方格子)相が、高温でオーステナイト(面心立方格子)相が安定している。これに対しオーステナイト形成元素のマンガンを添加し、常温でオーステナイト相を安定にしたのが高マンガン鋼である〔。鋼の焼入れはフェライト・オーステナイト相間の変態を利用するが、高マンガン鋼はオーステナイト相から変態しないため、焼入れしても効果はない〔。 高マンガン鋼はオーステナイト組織を持つため、じん性が高く磁性を持たない〔。また加工硬化性が大きく、荷重を受けるほどに表面が硬くなり、耐摩耗性も向上する〔。このため靱性と耐摩耗性が求められる用途に向く。 加工硬化が著しいという特徴のため切削性が悪いので、高マンガン鋼は主に鋳造品に利用される〔。鋳造直後は結晶粒界に炭化物が析出して脆い状態にあるので、炭化物を解消し、製品にじん性を持たせるには1000℃まで加熱し急冷する処理を行う〔。これは液体化処理や水靱処理と呼ばれている〔。加熱後急冷する点は焼入れに似ているが、目的も原理も異なる処理である。 ほかに比較的少量(1~数%)のマンガンを添加したマンガン鋼(低マンガン鋼)があるが、これは強靭化や焼入れ性の向上を狙ったものであり、オーステナイト相を利用する高マンガン鋼とは性質が異なる〔。 == 参考文献 == 〔 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「高マンガン鋼」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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