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新性能電車(しんせいのうでんしゃ)とは、日本国有鉄道(国鉄)においてカルダン駆動方式や電磁直通ブレーキ(または電気指令式ブレーキ)を採用した在来線電車全般を指す用語である。 == 概要 == 1957年(昭和32年)に開発された101系電車はカルダン駆動方式車の全電動車として設計を進めていたが、大量増備の必要性に起因する製造コストや変電所容量の問題、また当時のダイヤ構成では必要以上に性能が高くなることから、電動車と付随車の割合(MT比)を1:1として再設計された。カルダン駆動方式を先行して導入していた私鉄各社は『全電動車方式のカルダン車』を、吊り掛け駆動方式の電車(旧性能車)とは著しい性能差があることから『高性能車』としたのに対し、上記理由で「カルダン駆動車」の性能を抑制した国鉄の場合は、旧性能車と性能差を大きく変えなかったことから、『新性能車』(一部を除き発電ブレーキも採用)と呼称した〔この『新性能車』との呼称を、私鉄各社の『高性能車』と混同して呼称する事例も一部に散見されるが、当時の国鉄は『高性能車』=『新性能車』の意味合いでは使用していない〕。 ただし、後継の103系電車の計画にあたっては、カルダン式と吊り掛け式のコスト面の比較を行なった上で保守コストの低減が可能なことから前者が採用されており、当初からこれ以後カルダン式を採用するという確然たる方針があったわけではない〔久保田博「国鉄通勤型電車の最近の動き」(電気車研究会『鉄道ピクトリアル』156号、1964年4月 特集:国鉄通勤電車、35-37頁)〕〔ただし、103系は従来よく言われているように、山手線4M4Tだけを目的とした形式ではなく、6M4Tでの10連を想定し、起動加速度2.5km/h/sec程度、常用減速度3.5km/h/secという、通勤形という用途に限れば、旧形電車である72系をほぼすべての性能で圧倒するものであった(交友社『鉄道ファン』541号 2006年5月号、特集:究極の標準形通勤電車103系)。〕。このため、初期(1950年代 - 1960年代)の抵抗制御のカルダン駆動車のみならず、1970年代以降の電機子チョッパ制御車や界磁添加励磁制御車、さらにVVVFインバータ制御車などの回生ブレーキ装備車も含まれる。 * 大手私鉄などで1950年代前半に竣工した、高度な設計・性能のカルダン駆動電車のことを、通常「高性能電車」と表現する。当時、国鉄や大手私鉄は急増した利用客を、既存の限られた施設でさばくための方策として、性能を高くした新設計の車両の製造に乗り出していた。すなわち、カルダン駆動かつ全電動車方式で編成を組み、高い加減速性能(と高速性能)を持たせて、列車の運転密度を向上しようとした。 * 国鉄も当初、全車電動車方式による「高性能電車」を追求しようとしたが、現実にはコストや変電設備面での制約、また、全電動車による高加速よりもブレーキ性能向上による高減速のほうが輸送力増加に有効であることが判明したことなどから、逆に減速度のほうを高くして、付随車を挟む方向となった。 こうした経緯の中で、国鉄の電車については「高性能電車」ではなく、「新性能電車」という用語が一般的に用いられるようになった。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「新性能電車」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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