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ARMSの登場人物では、皆川亮二原作の漫画作品『ARMS』に登場する人物について記述する。 == 主要キャラクター == ; 高槻涼(たかつき りょう):声 - 神奈延年 : 本作の主人公。「憎悪」の意思を示すオリジナルARMS"ジャバウォック"(魔獣)を移植されており、自らの出生に関わる大きな戦いに巻き込まれていく。ただし、本人はエグリゴリの工作による事故で右腕を失いARMSを移植された後も、隼人が現れるまでは自分を「平凡な高校生」だと思い込んでおり、父(実は養父)・巌を単に海外出張の多いサラリーマン、母(実は養母)・美沙を若作りの専業主婦と信じて疑いもしなかった。また幼馴染みとして育ったカツミはごく自然に大切な存在になっていた。 : 上記の通り性格は飄々としてマイペース。年齢以上の落ち着きと他者に対する優しさや懐の深さを備えており、一度は敵として戦ったアルやクリムゾントライアッド、X-AMYといった刺客たちを次々に味方に引き入れることになり、ブルーメンの指揮下を一度は離れたドラッケンをも体当たりで翻心させた。また、巌の教えもあって冷静沈着でシビアな判断力と決断力の持ち主。もともと争い事を好まず、ARMSを巡る過酷な戦いの中でも人間らしさを失うまいとする強靭な意志力の持ち主でもあるが、自身に宿ったジャバウォックの禍々しい力、それが常に囁きかける強烈な破壊衝動と葛藤し、立ちはだかる巨大な運命に苦悩し格闘していくことになる。 : ARMSの移植ばかりかカツミとの出会いや彼女への愛情も含め、自身の運命のほぼすべてがエグリゴリを指揮するキース・ブラックと彼に敵対するキース・ブルーにより仕組まれたものと知らされてもそれに屈することなく戦う。 : 絶大な破壊力を持つ右腕のARMSに加え、当人は全く知らなかったが、世界屈指の傭兵の両親を持ち、幼い頃から父親にサバイバル技術を叩き込まれてきた。父親譲りの格闘術、トラップの腕前もかなりのもので、「軍隊でもここまでの腕前のものにはお目にかかれない」「タチが悪い」「えげつない」と度々評されている。 : カツミへの強い想いがあるためにユーゴーの自らへの想いは応えることが出来なかったが、彼女が示した愛する者への壮絶な覚悟が最終章での決断を後押しすることとなる。 : 最終話ではカツミと夫婦となり、授かった一人娘は常にこの物語の背後にいたある一人の少女の名前と容姿を受け継いでいる。 ; 新宮隼人(しんぐう はやと):声 - 三木眞一郎 : 涼の通う藍空東高校にやって来た転校生。「仁愛」の意思を示すオリジナルARMS"ナイト"(騎士)を移植されており、自身と同じ境遇である涼との出会いによって、彼もまた自身の出生に関わる大きな戦いへと立ち向かうこととなる。 : 性格は粗にして野だが卑にあらず。自らを「鞘のない刀」と揶揄する等、喧嘩っ早い性格で物語初期には涼にも敵意を向けるなど非常に血の気が多かった。幼い頃 故郷の鐙沢村(あぶみざわむら)をエグリゴリに攻撃され、彼以外の全村民が殺され、目の前で父親の新宮修一郎を斬殺、自身の左腕も切断されたという壮絶な過去を持つため、心に壁を作り復讐の炎を滾らせていたことにより人を寄せ付けなかった。気絶している間に巌に救出され、命を長らえるべくブルーメンの研究者によりARMSを移植され、祖父(実は養祖父)・十三に引き取られる。十三のもとで新宮流古武術を基礎から徹底的に叩き込まれていたが力の扱い方を知らず、頭に血を昇らせて闇雲に暴力に訴えることしか知らなかった。 : 父の仇であるキースとエグリゴリに復讐するために憎しみのままに彼らを捜していたが、涼と出会って初めて「親友」を得ることとなり、武士や恵との出会いにより「仲間」を得たことにより少しずつ成長を重ねていく。また、アルとは凸凹コンビでしばし「バカ」と呼ばれるが鼻につく態度にはゲンコツを見舞う。 : 藍空市での市街戦で瀕死の重傷を負い、仲間を「守りたい」と願ったことが引き金となりナイトの真の能力が覚醒する。だが、ナイトはジャバウォックの暴走を止めるため、「ARMS殺し」の武器である「ミストルティンの槍」と共に監視者の使命を委ねられており、隼人が仇敵と思うキースシリーズらエグリゴリの刺客よりもジャバウォックを持つ涼を狙うため、隼人の思うようには力を貸すことがなかった。 : ナイトから最悪の場合には相棒かつ親友である涼を殺さねばならない運命を知らされ、涼自身が万一の場合には隼人の手にかかることを望んでいることを聞いてしまい苦悩する。 : ニューヨークでコウ・カルナギとの戦いに敗れ、武士が植物状態になったことに意気消沈し、涼たちの前から姿を消す。その後、チンピラに絡まれている所を“ウインド”と名乗る謎の日本人(後に涼の養父、高槻巌と分かる)に助けられ、シシリアンマフィアとの戦いやママ・マリアとの出会いと別れにより、自らに宿る・水の心や恵への愛に目覚め、精神的に逞しく成長。コウ・カルナギとの再戦ではARMSなしの戦いでも互角に渡り合い、ナイトの力を取り戻してからは一蹴するに至る。 : ARMS中最も硬いと言われるブレードを持つ左腕のARMSを使って戦う他、祖父に習った新宮流古武術の使い手であり戦いの中で成長を重ね、涼と並んで前線に立って敵に立ち向かう。武士のような動体視力はないものの、目で追えないほどの高速で動く敵を敵意の有無で察知して戦う。この能力は後に「バロールの魔眼」を駆使するキース・バイオレットとの戦いでも十二分に発揮する。 : 涼や武士にはあまり見られなかった歳相応の異性への興味、下心も描写されており、武士にインターネットで如何わしい画像を見せてくれと頼んだり、恵にはセクハラ紛いの冗談を飛ばすなどしており、特に高槻美沙やキース・バイオレットのような美人な大人の女性に興味、同時に苦手としている傾向がある。 : 最終回では、自分と同様に十三の養子となったキャロルから兄と認められ、十三から道場を引き継いだ。K-1中量級で優勝するほどの腕前。ちなみに相思相愛の恵とは互いの忙しさにかまけてすれ違いを続けている。 ;巴武士(ともえ たけし):声 - 上田祐司(現・うえだゆうじ) : 隼人に続き訪れる転校生。「勇気」の意思を示すオリジナルARMS"ホワイトラビット"(白兎)を移植されており、自身の出生の秘密を知るために涼達と行動するようになり、自身の運命に立ち向かう。 : 幼い頃、妹をかばって交通事故に遭い、両脚を失うほどの怪我をした後にARMSを移植され、さらに自身が両親の本当の息子でないことを知らされたショックと異形の脚に怯えて、自分を含めて全ての者に対し敵対心を持って心を閉ざしていたが、涼や隼人に出会い、人との触れ合いや仲間、家族を大事にするようになる。 : 性格は臆病で繊細かつ内向的であり、涼や隼人と比べて格闘術など戦闘に役立つ技能ももっておらず自分に自信が無かった。このため戦闘力で劣ると認識されるホワイトラビットと共にしばしば敵の侮りを受ける。だがARMSの発動がなくとも驚異的な反射神経と運動神経を誇り、その動体視力はヘリのローターをくぐり抜け、音速で攻撃を仕掛ける相手を見切れるほど凄まじい。 : 最初に潜在能力を見出したのは涼の養母・高槻美沙。藍空市に仕掛けられた「スナーク狩り」作戦においてパートナーとなった彼女から頭脳的な戦い方や心構えを学ぶ。レッドキャップスが切り札として用意した中性子爆弾を巡り、自分の命を引き換えにしてでも仲間達を守りたいと願ったことによりホワイトラビットの真の能力が覚醒する。 : だが、ニューヨークでコウ・カルナギと戦った際に隼人を守るため犠牲となり植物状態に陥る。ドクター・ティリングハートもお手上げの状態だったが、アルがティリングハートからの情報で教えたアリスのチャットルームにアクセスするや、それに呼応するかのようにアザゼルに変貌。精神世界においてホワイトラビットの導きにより「白のアリス」と出会う。カリヨンタワーの戦いの終盤、巨大化したジャバウォックとナイトが戦う最悪の事態において彼の下した意外な選択が戦いを終局に導いた。 : 最終盤のバンダースナッチ計画ではらしくなく冷静さを失った涼を叱責してたしなめるなど精神的に最も逞しく成長を果たす。また他のARMS適合者が涼の父高槻巌に出会った事で成長したのに対し、彼のみが逆に巌を導くという役割を担っていた。 : 決戦を終えてニューヨークから帰還の後はサッカー部にスカウトされて才能を発揮。最終話ではセリエAのプレーヤーとして知られ、4人組の中では一番の有名人になっている。 ;久留間恵(くるま けい):声 - 高山みなみ : 反エグリゴリ組織“ブルーメン”のメンバー。“審判”がプログラムされたオリジナルARMS "クイーン・オブ・ハート"(ハートの女王)を移植されており、エグリゴリとの戦いが激化しだした涼達と接触、行動を共にするようになる。涼の幼馴染である赤木カツミと瓜二つの容姿をしている。 : 幼い頃、友人2人と共に通り魔に襲われ、友人と両目の視力を失った後にARMSを移植された。オリジナルARMS達のリーダーとなる存在を自称し、初めは自分の有能さを鼻にかけて高慢な態度で他人に接する性格によりブルーメン内部でも孤立していたが、過酷な状況に直面することで、強い意志を持った真のリーダーへと成長していく。また、オリジナルARMSであるにも関わらず、涼、隼人、武士の3人と違って自分だけ「育ての親」がいなかった事に対して、強い劣等感のようなものを抱いていた。 : 移植されたARMSが戦術偵察型であるため直接的な攻撃能力は人間レベルであり、戦闘力は他の三人に比べて低め。このためエグリゴリの刺客たちからは人質とすべく真っ先に狙われる。だが、他のオリジナルARMS発動をある程度なら制御できる能力を持ち、戦闘中は指揮能力などの司令塔としての能力は高い。すべてのARMSをリセットする能力を持たされていることに苦悩する。 : ギャローズベルでの戦いにおいてスティンガー率いるハウンド部隊の強襲により武士とユーゴーを拉致される。このことに責任を感じ、自らが持つリーダーの資質に疑念を持ってしまうが、通りすがりを装って現れた謎の日本人サラリーマン(やはり正体は高槻巌)との邂逅によりリーダーのなんたるかを学ぶ。 : その後はカリヨンタワーの戦いにおいて心を許す唯一人の親友だったユーゴーを失ったかわりに奪還したカツミを「姉妹」として迎え入れる。心中では隼人を憎からず想っているがそのことを知るのはユーゴーだけだった。 : 最終回では李と共にソフトウェア開発会社に転身したブルーメンに勤務。髪型はショートになり、クイーンオブハートを失った視力は悪いらしくメガネをかけている。 ;赤木カツミ(あかぎ カツミ):声 - 三浦智子 : 涼の幼馴染。性格はお節介焼きで人懐っこくオバサンじみている。ごく普通の女子高校生と思われていたが、物語のキーパーソンとなる存在。 : 涼達に無断で同行した鐙沢村において、涼の目の前でエグリゴリの爆撃に巻き込まれて死亡したと思われていたが、その後、エグリゴリに拉致されたことが判明する。涼たちがアメリカを旅する間、キース・グリーンが拠点とするニューヨークの邸宅に客として迎え入れられ、グリーンから聞いた「嘘」を信じつつも、愛する涼との再会を心待ちにしていた。また、グリーンと生活を共にするうちに彼の心に人としての情愛が芽生え、彼が愛情と執着心を持つようになる。 : ギャローズベルにおいて彼女は恵と同じ遺伝子を持つ存在で、遺伝子上双子の姉妹ということが判明する。カツミは、エグリゴリが創ることのできた唯一のオリジナルARMS適正者だったが、彼女にはARMSを移植されず、キース・ブラックのジャバウォック計画により研究者(赤木祥子)の娘として普通に育てられ、涼と互いにかけがえのない存在となるよう仕組まれる。 : キース・ブラックの命令を受けたジェームズ・ホワンにより、軟禁先のグリーンの邸宅から再び拉致される。その際、カツミを守るためホワンと戦ったグリーンの正体が「チェシャ猫」の異名を持つARMS適性者だと知ってしまう。カリヨンタワーに身柄を移されたカツミは「人質」として涼たちの前に晒される。兄を裏切ってもカツミを助けると決意したグリーンはブラックに戦いを挑むが敗北。その後、瀕死のグリーンが転移能力で連れて来た涼と劇的な再会を果たす。だが、ジャバウォックの手にかかるというキース・ブラックの目論見は外れ、彼の中で憎むべき父、キース・ホワイトが目覚める。涼とホワイトの戦闘の最中、ホワイトの策略により、涼自身の手で殺される。だが、それでも涼に恨み言を言わなかった。 : カツミをその手で殺した絶望によりジャバウォックが暴走。カツミ自身は「黒のアリス」の執着によりジャバウォックの中の精神世界に囚われの身となる。だが、「白のアリス」とユーゴーがその身を犠牲にすることにより、カツミは現実世界に生還することができた。 : ニューヨークから帰国し、元の平和な生活に戻ったがその生活に違和感を覚え、時折暴力的な衝動に駆られるようになる。その後ARMS"バンダースナッチ"(滅びの神獣)を宿すことになり、エグリゴリ残党の女王として君臨する。バンダースナッチとなったカツミには「赤木カツミ」としての意識はなく、黒幕であるホワイトの思惑の元、現行地球人類の根絶を図る。涼は、バンダースナッチとしてカツミとその中に生きる「黒のアリス」を滅ぼすのか、究極の決断を迫られることになる。 : 高槻涼と彼女が日常に帰ることが、この作品の一貫したテーマである。涼とカツミの結末もラストで語られており、10年後には、涼と結婚して一児の母になる。父親の教育の影響による、娘のやんちゃ振りに頭を悩ませている。 : ちなみに連載当時のあらすじでは「佳都美」と漢字で当てられていたが、作中最後まで漢字が使われることはない。 ; アル・ボーエン:声 - 緒方恵美 : エグリゴリの実験によって生み出された天才児「チャペルの子供達」の中でも、最高の頭脳を持つ双子の兄。その高い知性へのやっかみにより、いじめを受けた腹いせに弟のジェフと共に致死性の高い毒ガス(C-0048)を作成、スクールバス内に散布して同級生達を毒殺した上、それを咎めた両親をも銃で殺害した凄惨な過去を持つ。だが、いずれの事件も当時7歳という年齢から犯人とされず、その後は「チャペルの子供達」としてエグリゴリに迎え入れられる。 : エグリゴリの刺客に志願し、ジェフと共に涼たちの通う藍空東高校を占拠。避難経路に爆弾を仕掛けたり、二体のサイボーグ兵を操って武士の妹・麻耶を人質にとり涼たちに戦いを挑む。だが、双子の暴走を見かねたボス(キース・ブラック)により送り込まれたキース・レッドによりジェフが惨殺される。アルも殺されかけるが、兄弟に自分を重ね合わせた武士の機転で救われ、敵対していた涼の家に保護される。そこでなにも事情を詮索しない涼の母・美沙と触れ合ううちに母親のぬくもりを思いだし、血を分けた弟の仇であるエグリゴリに対し復讐心を滾らせる。そのためARMSやエグリゴリに無知な涼たちに情報を提供し“共闘”を申し出る。ただし当人は終始一貫して「オリジナルARMSの研究」と称している。 :「人類一の頭脳を持つ」と自負し、性格は傲岸不遜で極度の負けず嫌い。隼人や光一からは「ナマイキなガキ」「クソガキ」と言われ、人を人とも思わぬゴーマンな態度を隼人からゲンコツで制裁されるのがお約束となっている。終盤では恵からも同様に制裁されるようになる。涼たちと「スナーク狩り」作戦を退けた後、キャロルと共に十三の養子として日本で第2の人生を送るよう隼人から誘われるが、自ら殺めた家族のことを想って申し出を拒否し、過酷なものになると分かった上で涼たちの旅に同行する。ただ、日本滞在中はかつて保護された高槻家ではなく、新宮家に居候している。その後は涼らチームの頭脳として持ち前の才能を発揮。自ら目にした事実を瞬く間に理解し、科学的に解き明かす役目を担う。特技はハッキングと機械の操作。無免許で自動車の運転もしている(アニメ版ではブレーキペダルに足が届かず事故を起こすシーンがあった)。 : 10年後の最終回には、22歳で医学博士号を習得し、藍空医大に勤務している。教授となってあちこちの大学で講義を受け持っており、授業中に余所見をしていたり私語をしている学生に隼人譲りのゲンコツを見舞っている。背は伸びて隼人と並ぶほどに高くなり、その美形ぶりは講義を受ける女生徒が憧れの眼差しを向けるほどである。各所から引き合いがあるものの、第2の故郷である藍空市に執着して離れようとはしない。 : アルは「人類の未来」を象徴する存在で、自らの知性に溺れ、独善に満ちていたアルが犯した罪を自覚し、人間的な感情や人への愛情を取り戻していくのは物語のテーマの一つ。また、育ての両親、双子の弟、かつての仲間である「チャペルの子供達」、産みの親で尊敬もするティリングハースト、姉と慕うユーゴーを悉く喪うという最も悲劇的で過酷な運命を辿るが、最後には自分の居場所と安らぎを手に入れられたようである。 ; ユーゴー・ギルバート:声 - 本間ゆかり : カツミ、恵と並ぶ本作3人目のヒロインで悲劇のヒロイン。世界最強のテレパシストで「天使・ユーゴー(エンジェル・ユーゴー)」の異名を持ち、その名はエグリゴリ内部では広く知られている。その能力は人の心を読めるだけではなく、他人の意識を中継したり、幻影を見破ったり、心を持たない者と意識を繋げて操ったり、あるいは精神を他人ごと誰かの精神に送り込むことすらできる。 : エグリゴリの超人部隊「X-ARMY」のメンバーとして登場し、登場当初は能面のように無表情だった。エグリゴリ内では常に実験対象として扱われ、他者の心を読めるが故に研究者ら人間の持つ心の暗黒面に晒されて育ったため、心に深い傷と癒せぬ痛みを抱えている。そのため運命を同じくするX-ARMYの仲間にのみ心を許していた。テレパシー能力で涼の精神にアクセスしたことにより、彼が抱える苦悩とトラウマを知り、自分たちと同じ境遇にあると知って仲間たちを止め、戦いを避けようとするが、暴走するクリフに振り回され、自らの持つ能力を悪用されて涼が必死に押さえ込んでいたジャバウォックを目覚めさせてしまう。ジャバウォックのとてつもない正体を知り、絶望していたが、恵に促され、涼とクリフを救うため3人を涼の精神世界に送り込む。 : 涼の心の深奥に触れて自分達の境遇を重ね合わせ、一目惚れに近い感情を抱き、そのことをクリフにも見透かされていた。兄のクリフや大切な仲間達をエグリゴリに殺されてからは生き残ったキャロルを十三に預け、涼たちと共に戦いの旅に出る。その旅の最中、次第に涼に対し報われぬ愛を深めていく。心が読めてしまうため、涼の心の中で誰が一番大切なのかを分かり過ぎるほど分かってはいても、涼を救うために幾度となく危機に飛び込んでいき、ジャバウォックの暴走を鎮めるためにカツミの姿を借りたこともあった。 : 天使の異名に相応しく、心優しく容姿は可憐で虫も殺さぬように見えるが精神的には涼と並んで非常に強く逞しい。また、仲間に加わってすぐにはその能力を忌み嫌っていた恵やアルも包容力を示すことで、それぞれが親友、姉と思うかけがえのない存在となるに至る。 : 自らの運命に苦悩する涼に「もしものことがあった場合には私が貴方を殺す」と約束し、暴走したジャバウォックを止めるため全能力をもって精神世界に入り込んで涼とカツミを救った後、アルに看取られて絶命した。 : 最終章は生き残った一同が日本に埋葬された彼女の墓を訪れる所から始まる。 ; 高槻巌(たかつき いわお):声 - 有本欽隆 : 涼の父親。商社勤務のサラリーマンを装う(本人曰く「通りすがりのサラリーマンだが」)がその正体は忍者の末裔であり、現代では凄腕の傭兵。幼い頃から涼にサバイバル技術や戦闘技術をたたき込み、また、涼がARMSとしての運命に打ち勝てる様に人間としての優しさや強さを教えてきた。エグリゴリに壊滅させられた「鐙沢村」の出身。 : 傭兵時代は「静かなる狼(サイレントウルフ)」の異名で名を馳せ、米国の諜報機関が総がかりで敗北したほどの凄腕。そう語った作中の米国大統領ジェイムズ・フリント(作中の架空の人物)とも協力関係にあり、エアフォースワンへの搭乗権限すら所有している。 : 旅をしていない時はニューヨークのハーレムに滞在し、地元の子供達に武術を教えている。ハーレムを支配していたマフィアの組織をことごとく単身で壊滅させたことから、ハーレムの人々は巌を「ウインド」と呼び、街に平和を取り戻した「ブラザー」として慕う。 : 反エグリゴリ組織の依頼で密かにエグリゴリによる凄惨な人体実験が行われていたネバダ州のエリア51に僅か3人(巌・美沙・十三の3人)で潜入。その際に中年期のティリングハーストと邂逅し、二人の子供(アリスとエドワウ)を喪った痛みと絶望にうちひしがれ心中、死を望んでいた彼からエドワウ(キース・ブルー)と4つのオリジナルコア、適性者の因子に関するデータを託される。 : 鐙沢村に匿われたキース・ブルーは村を本拠地として「ブルーメン」を組織。エグリゴリに対抗するために人体実験を重ねた末、4人の移植適性者を産み出すに至る。その一人として産み出された子供(涼)を預かる。また、その才能を恐れられ、村人から始末されかけた実弟・崖(後のジェームズ・ホワン)を密かに逃がしてやったが、後に崖の手引きにより鐙沢村は壊滅。唯一の生存者であった隼人も左腕を切り落とされ、オリジナルコアの移植以外に命を救う方法がなく苦渋の選択を余儀なくされる。鐙沢村への襲撃でいまだオリジナルコアが適性者たちに移植されていない事実を知ったキース・ブラックは涼、武士、恵をそれぞれ事故や事件に見せかけて襲撃し、恵と同じ遺伝子情報で作り出したカツミを涼の元に送り込む。 : 戦いが始まった後は、世界中を回りながらARMSの子供達を見守り、単身赴任のサラリーマンを名乗って、恵や隼人の前に現れ、彼らを導いていた。リーダーの自信を失った恵には単純ながら重要なリーダーの極意を説き、カルナギに敗れた隼人に対しては、ニューヨークのハーレムに滞在させ、隼人の「水の心」の記憶を呼び覚まし会得させた。また巌自身も「水の心」を会得しており、その戦闘スタイルは銃を使わず、素手かナイフなどの刃物を駆使する武術(本人いわく「忍術を少々」)だが、サイボーグやミュータントのみならず、完全体のARMSとすら互角以上に渡り合うことができる。視力を奪われても無敵の強さを見せつけるなど、精神・肉体を含むあらゆる面において作中最強の人物の一人だが、若かりし折の新宮十三には今の自分すら勝てはしないと謙遜し、彼を尊敬している。 : 崖を逃がしてやったことが仇となり、4人の子供達が悲劇的な運命に晒されることになったことに人知れず苦悩し、10年前に巌の逆襲で両目の視力を失った後、行方をくらませた崖の行方を追って密かに命を狙う。劇中、二度の戦いではキース・グリーンをも一蹴した能力を持つ崖を圧倒した。 : 最終章では「友人」としてバイオレットを、また戦う寸前だったカルナギとスティンガーを仲裁してそれぞれ日本に送り込み、最終兵器として用意したアザゼルを強奪。ARMS能力を失って尚も戦いに赴く涼のもとに切り札となる「ジャバウォックの爪」を送った。作中全般を通して、主人公たちの裏方となり要所で支え続けた最大のキーパーソンと言える。 : 最終話でも健在でやはり世界中を駆け回っている。 ; 高槻美沙(たかつき みさ):声 - 一城みゆ希 : 涼の母。専業主婦で非常に若々しく、常に笑みを絶やさぬ美人だが、年齢不詳。カツミからは「美沙ちゃん」、アルからは「美沙ママ」と慕われる。 : 実は「笑う牝豹(ラフィング・パンサー)」「地獄の黒魔女(ヘルズ・ブラック・ウィッチ)」の異名を持つ凄腕の傭兵で、その異名はエグリゴリの末端の兵士にまで広く知れ渡っている。エグリゴリのサイボーグ部隊をあっという間に壊滅させる圧倒的な実力者で、ワイヤーによる絞め技のほか、ベレッタM84の2丁拳銃による射撃を得意とし、過去には巌と共に幾人もの要人や凄腕の兵士を始末してきた。 : 戦略や戦術の分析も得意としており、ガウスをもってして「最悪の戦況でも最大の戦果を生み出す戦場の天才」と言わしめる程。“スナーク狩り”を熟知しており、藍空市殲滅戦では武士を相棒にして敵の虚を突く攻撃を仕掛けた。熟練の戦士である彼女は、無意識でも正確な動きで戦えるため、超能力者でも動きの先読みができなかった。 : しかし、それほどまでの能力を持ちながら血を分けた息子のように愛情を注いでいた涼がエグリゴリの謀略で瀕死の重傷を負う交通事故に遭うことは防げず、知らせを聞いて駆け付けた巌と共に苦渋の決断を下した過去を持つ。己の正体を涼に明かした後「子育てほど過酷な戦場は無かった」と嘯くも、同時に「あなたはお腹を痛めて産んだ子ではないけれど、誰よりも心を痛めた自慢の息子」と、心の底から愛していることを旅立つ息子に告げた。彼女の息子への教えは要所で主要メンバーを救うきっかけともなっている。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「ARMSの登場人物」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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