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魚竜(ぎょりゅう、)は、絶滅種の大型海棲爬虫類。イルカに似ており(収斂進化参照)大きい歯を持っていた。中生代の大部分に亘って生存していた。約2億5千万年前に、恐竜(約2億3千万年前に出現)よりやや早く出現し、9千万年前、恐竜より約2500万年早く絶滅した。三畳紀前期に魚竜は、陸棲爬虫類のいずれかより進化して水棲になった。これはイルカを含むクジラ類の進化と並行的である。現時点で魚竜がどのような陸棲爬虫類から進化したかは不明である。双弓類に属するのは間違いないが、その二大系統である鱗竜形類(トカゲ・ヘビや首長竜を含む系統)や主竜形類(カメおよびワニや恐竜を含む系統)には属さず、それ等が分岐する以前の、より古い系統に発するのではないかとされる。魚竜はジュラ紀に特に繁栄したが、白亜紀になると水棲捕食者の頂点の地位を首長竜やモササウルス類に取って代わられた。目名は魚竜目(Ichthyosauria)といわれている(1840年、リチャード・オーウェンにより、「魚+ひれ足」の意味を持つIchthyopterygiaの語が提案されたが、現在その語はIchthyosauriaのひとつ上の階級名として使われている)。 == 特徴 == 魚竜の体長は平均2-4m(いくつかの種は小さく、またこれより大きくなるものも存在する)。ネズミイルカに似た頭部を持ち、長くて歯のある吻を持つ。尾びれは大きくて上下に広がり、ひれによる推進力を制御するのに使われていた。肉食性。肺呼吸をするために海面に浮上する。胎生であり、実際に胎児を持つ化石や出産中に死亡した化石が発見されているが、胎生であることは最初から予想されていた。肺呼吸をする海棲生物が卵を産む場合には、海亀やエラブウミヘビ科のウミヘビのように陸に上がらなければならず、そうでなければ海面で幼体を産む必要がある。マグロのように高速遊泳に適した体つきをしており、また現生のクジラのように、深海にも潜った(藻谷亮介, 2000による)と推測される。魚竜の最効率速度は1.5m/s(5-6km/h前後)(藻谷亮介, 2002による)と推定される。あくまで最効率速度であってこれは現生のマグロ類とほぼ同等である。 体重は、体長2.4mの''Stenopterygius''がおよそ163-168kg、4.0mの''Ophthalmosaurus icenicus''の場合には930-950kgになったと推測されている(藻谷亮介による)。 魚竜は魚ではないが、魚に似ている。古生物学者のスティーヴン・ジェイ・グールドは、魚竜は平行進化を説明するのによい例だと述べている。この群においては、構造の類似は相似であり相同ではないからである。 なぜならこのグループは :「まったく適切な場所にまったく適切な水理学的設計を持つ背びれと尾を現実に進化させたという点で、あまりに魚に収斂している。これらの構造はは何かから進化したわけではないので、なおさら注目に値する。つまり、祖先である地球上の爬虫類は、これらの前身となるような背中のこぶ、あるいは尾部のひれを持っていなかった。」 実際、イクチオサウルスの最も初期の復元では硬い骨格の構造を持たない背びれの存在は見逃され省略された。その後1890年代にドイツのHolzmaden lagerstaettenから回収された素晴らしい保存状態の標本がひれの跡を明らかにした。 それらの餌については、魚形のイクチオサウルスの多くが、ヤリイカの古代の親類である矢石類belemnitesと呼ばれる頭足類に極度に依存していた。 一部の初期のイクチオサウルスは甲殻類を砕くことに適応した歯をもっていた。 それらは、恐らく魚も常食にしたであろう。また、少数のより大きな種は、それらがより小さな爬虫類を常食にすることを示す、頑丈な顎と歯を持っていた。 イクチオサウルスは大きさがとても幅広く、また長く残存したために、餌の種類も幅広かったことが考えられる。 典型的なイクチオサウルスは非常に目が大きく、骨でできた輪の内に入って保護されている。これは夜に餌を探したと考えられる。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「魚竜」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Ichthyosaur 」があります。 スポンサード リンク
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