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鳴家 ( リダイレクト:家鳴 ) : ウィキペディア日本語版
家鳴[やなり]

家鳴家鳴り鳴家(やなり)は、日本各地の伝承にある怪異の一つで、家や家具が理由もなく揺れ出す現象。
鳥山石燕の『画図百鬼夜行』では、小さなのような妖怪がいたずらをして家を揺すって家鳴を起こしている絵が描かれているが〔高田衛監修 稲田篤信・田中直日編 『鳥山石燕 画図百鬼夜行』 国書刊行会q、1992年、56頁。ISBN 978-4-336-03386-4。〕、現代では西洋でいうところのポルターガイスト現象と同一のものと解釈されている〔多田克己 『幻想世界の住人たち IV 日本編』 新紀元社〈Truth in fantasy〉、1990年、273頁。ISBN 978-4-915146-44-2。〕。
なお、現代でも温度や湿度等の変動が原因で、家の構造材が軋むような音を発する事を「家鳴り」と呼ぶ。特に建材が馴染んでいない新築の家で起こることが多く、ひどい場合は欠陥住宅として建築会社と家主がトラブルになることもある〔建設会社各社は家鳴りの軽減・解消を研究しており、例えば積水ハウスは、「家鳴りの原因特定のために使用する検知装置」という特許を取得している(特許3871907 参考: 特開2003−49499 )。〕。
== 伝承 ==
; 江戸時代の書物『太平百物語』の家鳴〔
: 江戸時代但馬国(現在の兵庫県北部)でのこと。ある浪人たちが度胸試しのため、化け物屋敷として知られた家に泊り込んだ。
: 夜更けに突然、家全体が激しく揺れ始めた。浪人たちは地震かと思って外へ出たが、揺れているのは家だけだった。この怪異は翌日も起きたため、浪人たちは智仙という僧に相談し、一緒に家に泊まってもらうことになった。
: 智仙が浪人たちと共に泊まった夜、家が揺れ始めた。智仙は畳を見つめ、最も激しく揺れる箇所に小刀を突き立てた。すると揺れはそれきり、ピタリと止まった。
: 翌朝になって家を調べると、床下に「刃熊青眼霊位」と記した墓標があり、小刀の突き刺さった「眼」の部分から血が出ていた。近所で人に話を聞いたところ、かつて近隣を荒らし回っていた熊を、その家に住んでいた男が殺し、祟りを鎮めるためにその墓標を建てたものの、熊の霊に憑かれて死んでしまい、その後も霊が家の中をさまよって数々の怪異を起こしていたということである。
; 日刊新聞『二六新報』明治34年(1901年)11月22日の記事にある家鳴〔湯本豪一 『図説 江戸東京怪異百物語』 河出書房新社、2007年、96頁。ISBN 978-4-3097-6096-4。〕
: 明治33年(1900年)1月。東京府本所区(現・東京都墨田区)表町の長屋で、影山丈作という住人の妻チウが長女を出産。翌年に次女を出産したが、生後2日目に次女が死亡、その初七日に長女も急死。さらに四七日の日にチウが死亡。立て続けの不幸で丈作は出費がかさんで借金が重なり、到底返済できずにいるところへ、債権者が詰めかけて来て次々に家財道具を持ち去ってしまった。丈作は泣く泣く、どこへともなく姿を消した。
: 以来、その長屋では夜な夜な、丑三つ時になると家鳴が起きるようになり、住人たちは我先にとほかの地へ引越しを考えるようになった。この家鳴の原因は、丈作が失った家族3人の怨霊の仕業と噂されたという。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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