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鴆 : ウィキペディア日本語版
鴆[ちん]

(ちん、、)は、中国の古文献に記述が現れている猛を持った
大きさはぐらいで緑色の羽毛、そしてに似た色のクチバシを持ち、毒蛇を常食としているためその体内に猛毒を持っており、耕地の上を飛べば作物は全て枯死してしまうとされる。石の下に隠れた蛇を捕るのに、糞をかけると石が砕けたという記述もある。
== 文献上の鴆および鴆の実在性 ==
韓非子史記など紀元前の古文献では、この鳥の羽毛から採った毒は鴆毒と呼ばれ、古来よりしばしば暗殺に使われた。鴆毒は無味無臭なおかつ水溶性であり、鴆の羽毛を一枚浸して作った毒酒で、気付かれることなく相手を毒殺できたという。春秋時代荘公の後継ぎ争いで、荘公の末弟の季友は兄の叔牙に鴆酒を飲ませて殺した(『史記』魯周公世家)。また、始皇帝による誅殺を恐れた呂不韋は鴆酒を仰いで自殺した(『史記』)呂不韋伝)など、古い文献に鴆による毒殺の例は数多い。
紀元前の文献では、鴆の生息したとされる地域はおおむね江南長江以南)であり、代、鴆を長江以北に持ち込んではならないとする禁令があった。代では取締りが厳しくなり、皇帝が駆除のため営巣した山ごと燃やせと命令を出したとか、ヒナを都に連れてきただけの男をヒナと共に処刑させたといった記述がある。南北朝時代を最後に文献上の記録が絶えることとなるが、その頃の記録は文献毎にバラバラで統一性がなく、すでに伝説上の存在になっていた様子が伺える。代になると当時の政府も存在を認めず、659年刊行の医薬書『新修本草』では存否不詳とされてしまった。また鳥類学上、鳥に有毒種は全くないとされていた。それ故にいつか伝説化され、龍や鳳凰などと同様の単なる空想上の動物と考えられるようになった。
だが1992年になって、ニューギニアに生息し、原住民の猟師たちが昔から食べられない鳥として嫌っていたピトフーイという鳥が羽毛に毒を有していることがわかり、かつて鴆が実在していた可能性が現実味を帯びることとなってきた。ただし、ピトフーイの姿形と山海経等の古文献にある鴆の図はまるで似ていない。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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