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麻紙(まし/あさがみ)とは、綱麻、大麻、苧麻などを原料として作られた紙のこと。 麻紙は最も古い形態の紙の1つと考えられているが、麻の繊維は強靭で長いために抄造作業は困難であった。まず原料である麻を細かく切った後に繊維を叩解する必要があったが、作業の円滑化のために麻を発酵させて繊維を柔らかくしたり、石臼で磨り潰したり、木の棒で打解したりなどの方法が行われた他、魚網や麻布などを細かく裁断するなどの工夫が行われた。 中国では、前漢時代の遺跡から麻紙が発掘(後漢の蔡倫は今日では実用的な紙の改良者とされている)、唐から宋にかけて全盛期を迎えた。だが、北宋後期から楮紙や竹紙など抄造が簡便な紙が用いられるようになった。 日本では、奈良時代から平安時代にかけて詔書・勅書・宣命と言った重要な公文書の原紙(黄紙)や写経の材料として用いられた。 東大寺正倉院の「東大寺献物帳」や東京国立博物館所蔵の「法隆寺献物帳」などが現存する麻紙の古文書の代表例である。 『延喜式』には麻の樹皮や調布(主に麻布が多かった)を原料としてそれらを裁断・舂解(すりつぶす)して紙の材料とする規定が存在していた。また『延喜式』では、位記や具注暦の表紙の用紙として麻紙が規定されている。 穀紙に比べると緻密で上品な味わいがあるとされ、また紙魚にも強いことから、重要な文書の用紙に利用されたが、反面紙肌が荒いためにあらかじめ表面を加工しておかないと筆の走りが悪くなる場合があり、長期間を経ると強度が低下して劣化したり、破損することも多かったために次第に穀紙に代わられていった。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「麻紙」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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