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ハマボウ(浜朴あるいは黄槿)、学名 ''Hibiscus hamabo'' は、アオイ科の落葉低木。西日本から韓国済州島、奄美大島まで分布し、内湾海岸に自生する塩生植物である。夏に黄色の花を咲かせる。方言呼称にはヒシテバナ(鹿児島市喜入)等がある〔牧野富太郎, 2008. モンテンボク, オオハマボウ, ハマボウ, サキシマハマボウ, 新牧野日本植物図鑑, 437-439p. 北隆館 ISBN 9784832610002〕〔中西弘樹, 1985. GEOBOTANICAL AND ECOLOGICAL STUDIES ON THREE SEMI-MANGROVE PLANTS IN JAPAN(半マングローブ植物3種の分布と生態) . 日本生態学会誌 35(1), 85-92, 1985-03-30. 2014.1.8閲覧〕〔鹿児島の自然を記録する会, 2002. ハマボウ, 「川の生きもの図鑑」66p, 南方新社 ISBN 493137669X〕。 ==形態と生育環境== 樹高は1-5mほどの低木だが、枝はよく分かれ、株の内側はうっそうと茂る。周囲に障害がない所ではしばしば横に広がり、直径5mほどになる。葉は枝に互生する。直径3-8cmほどの円に近いハート形で、やや厚く、縁に細かい鋸歯がある。葉の裏や細い枝には灰白色の細毛が密生する。幹は灰色で多数の皮目がある。根は深くないが、倒れてもすぐ発根する〔〔。 和名は「浜辺に生えるホオノキ」の意にとられ、漢字も「浜朴」と書くが、牧野富太郎は「ホウ」の意味を不明とし、「フヨウ」の転訛ではないかとしている。牧野はまた、もう一つの漢字名「黄槿」(黄色のムクゲ)も誤用であろうとしている〔。 分布域は、太平洋側では千葉県以西、日本海側では韓国済州島-長崎県対馬-島根県隠岐諸島以南、南限は奄美大島である。日本海側の北限は嘗て長崎県対馬市佐護、次いで山口県萩市笠山とされてきたが、隠岐諸島の生息地発見で大きく更新された。群落が多いのは九州西部(長崎県-熊本県)および紀伊半島(和歌山県-三重県)のリアス式海岸の入り江だが、他にも大群落が見られる河口や入り江は多い〔〔〔島根県環境生活部自然環境課, 2013. 改訂しまねレッドデータブック2013 植物編 -島根県の絶滅のおそれのある野生植物-, 維管束植物 絶滅危惧I類 , 56p.2014.1.8閲覧〕。 河口や内湾など、汽水域の潮間帯上部-潮上帯に根を下ろす。塩分に強く、満潮時には根元が海水に浸る位置に生えるが、海水が届かない位置にも生える。ヨシ、シオクグ、ハマサジ、メヒルギ等、他の塩生植物とも混生する。人為的なものを除けば海岸から離れて生えることはほぼない。また荒波が打ち寄せる海岸にも見られない。マングローブが発達しない九州以北ではハマジンチョウ、ハマナツメなどと並び特徴的な生態を示す木であり、「半マングローブ植物」とも呼ばれる〔。 花期は7-8月で、直径7cm程度の、中心が赤褐色の黄色い花を咲かせる。花の形態は同属のハイビスカス、ムクゲ、フヨウ等に似る。花弁は付け根から回旋して伸び、中心の赤褐色部は船のスクリューのように見える。花は1日でしぼむが、大きな株は夏季に毎日次々と開花する〔〔。秋には先端が尖った鶏卵形の実をつけ、中には長さ4-5mmの豆のような黒褐色の種子が十数個ほどできる。種子は海水に浸っても死なずに浮遊し、海を通して分布を広げることができる〔〔。秋-初冬には紅葉し、葉が赤や黄色に変色して落ちるが、実は翌春まで残ることも多い。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「ハマボウ」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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