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『黒の過程』(くろのかてい、L'Œuvre au noir)は、1968年に発表されたマルグリット・ユルスナールによる小説。ルネサンス時代を生きた孤高の錬金術師ゼノンの生涯を描いた歴史小説である。ブリュージュの商家に庶子として生まれたゼノンは、旧弊な世界に飽き足らずに聖職者としての未来を振り切って、医師、技師、錬金術師、占星術師などとして長い間世界各地を放浪する。やがて正体を隠したまま故郷ブリュージュに戻り僧院で職を得るが、ここで身の危険を感じながらも町を脱することを諦め、最後に慫慂として異端者としての死を受け入れる。 作者の別の歴史小説『ハドリアヌス帝の回想』とは違い三人称で書かれており、ゼノンの生涯を基調としつつ、軍隊に身を投じた従兄弟やミュンスターの反乱に加わった義父などのエピソードがサブプロットとして加えられている。ゼノンをはじめ主要な登場人物はいずれも架空の人物だが、主人公ゼノンの生涯の一部はパラケルススなど同時代人の生涯から着想されている。表題の「黒の過程」は、錬金術において物質が分離し融解する段階であり、化金石を実現するのにもっとも困難な段階を意味する表現である(作者覚え書き)。 作品の構想自体は1920年ころ、作者の10代まで遡る。もとは断片にすぎなかったが、1935年に『死神が馬車を導く』に「デューラー風に」という短編としてゼノンを主人公とした作品を発表しており、これがこの作品の原型である。その後長い時間が過ぎ、代表作『ハドリアヌス帝の回想』を上梓して数年後の1955年にふたたびこの題材に着手し、1965年までかかって仕上げられた。ユルスナールはこの作品によってフェミナ賞を受賞している。 == 参考文献 == *マルグリット・ユルスナール 『黒の過程』 岩崎力訳、白水社、2008年 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「黒の過程」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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