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『黒蜥蜴』(くろとかげ)は、江戸川乱歩の長編探偵小説。および、作中に登場する女性盗賊の俗称。小説は1934年(昭和9年)、月刊誌『日の出』1月号から12月号に連載された。宝石等「美しいもの」を狙う美貌の女賊・黒蜥蜴と名探偵・明智小五郎が対決するトリッキイでアクロバティックな冒険物語である〔江戸川乱歩「自註自解」(『黒蜥蜴』)〕。 == あらすじ == 帝都東京の暗黒街の一角、クリスマス・イブのパーティーで、一座から崇められる黒衣の夫人がいた。求めに応じて全裸で「宝石踊り」を舞う美貌の彼女の左腕には、黒いトカゲの刺青があった。その晩、恋人と恋敵を殺して庇護を求めてきた青年、雨宮潤一を死亡偽装させ、「山川健一」の名を与えて忠実な部下に加えた彼女、「黒蜥蜴」は、Kホテルに滞在中の大阪の富豪岩瀬庄兵衛の令嬢、早苗を誘拐するために、有閑マダム「緑川夫人」の名で岩瀬老人に近づいた。だが岩瀬は相次ぐ警告文をもとに、素人探偵明智小五郎に依頼して、その身辺警護に当たらせていた。 早苗の誘拐の可否について明智に賭けを挑んだ緑川夫人こと黒蜥蜴は、変装して山川となった潤一とともにまんまと早苗を浚ってみせたかに見えたが、明智の機智の前に一敗地にまみれ、かろうじて逃亡。明智と岩瀬は、大阪南部の岩瀬の自宅で早苗を匿うが、部屋の長椅子に仕込んだ黒蜥蜴の人間椅子のトリックで、早苗はついに誘拐されてしまう。 黒蜥蜴は早苗とダイヤモンド「エジプトの星」の交換を岩瀬に要求。通天閣塔上でダイヤの受け渡しをもちかける。変装した明智は黒蜥蜴の裏をかいて賊を追跡、黒蜥蜴は自家用の蒸気船で東京まで逃亡を図る。船に乗り込んだ明智は黒蜥蜴との虚々実々の駆け引きの末、隠れていた長椅子もろとも海に投げ込まれてしまう。好敵手明智を失い、早苗と二人で激情にまかせ号泣する黒蜥蜴。 東京湾の埋め立て地の廃倉庫の地下に黒蜥蜴のアジトはあった。誘拐した早苗に、誇らしげに宝石をはじめとする収集した美術品の陳列を披露する黒蜥蜴。さらに女賊は早苗に恐るべきコレクションを見せる。それは剥製化された全裸の人間の陳列、さらには檻の中に閉じ込められた全裸の美青年、人間を放り込む大水槽だった。そう、黒蜥蜴は、若く美しい男女を誘拐しては殺害し、剥製としてきたのだ。黒蜥蜴は早苗をその陳列に加えるつもりであると残忍に言い放つ。はたして早苗の運命は、そして名探偵明智小五郎は本当に死んでしまったのか…? 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「黒蜥蜴」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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