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黒龍丸(こくりゅうまる)は、大阪商船が所有していた、大阪港・大連港連絡航路の貨客船である。当時最新の機関を備えた高速船として1937年に建造された。太平洋戦争後期の1944年10月に、アメリカ海軍潜水艦により撃沈された。なお、大連汽船も同名の貨物船「黒龍丸」(6112総トン)を同時期に運航しているが、異なる船である。 == 建造 == 大阪商船は、命令航路として大阪・大連航路の貨客船を運航していた。1930年代に船舶改善助成施設など政府の補助金交付による新型商船の建造が進む中、大阪商船は、助成対象船以外にも独自の船質改善を図ることにした〔大阪商船三井船舶(1966年)、428頁。〕。そのうち、満州国建国などで需要が高まっている大連航路増強のために計画されたのが、「黒龍丸」と「鴨緑丸」から成る黒龍丸型貨客船である。 黒龍丸型は、1935年(昭和10年)に同じ大連航路へ就航したばかりの吉林丸型貨客船をさらに改良したもので、基本設計は「ばいかる丸」以来「うらる丸」などの大連航路船の流れをくむ蒸気タービン推進の高速貨客船である。主任設計者は他の大阪商船新鋭船と同じく和辻春樹が担当した。和辻は、シアー(en, 舷弧:船首尾方向の甲板の反り上がり)とキャンバー(en, 梁矢:船側方向の甲板の曲面)を廃止した「高千穂丸」の船体設計により居住性や建造の容易さを高めて好評を博していたところ、本船もシアー・キャンバーを廃した典型的な和辻デザインとなっている〔大阪商船三井船舶(1966年)、434頁。〕。 新鋭の高速船ということで、機関関係の設備も優秀なものが搭載された。主機械には、吉林丸型や高千穂丸型で成功した三菱ツェリー(en)の衝動式蒸気タービンエンジンを採用した。ボイラーは水管式で、27kg/cm2の高圧を発揮する燃料効率に優れたものである。燃料は石油ではなく石炭であるが、新型のテイラー式下込め自動給炭装置を日本で初めて装備し、16ノットの高い航海速力を維持できた〔。 建造は三菱長崎造船所に発注され、1936年(昭和11年)9月19日起工、翌1937年(昭和12年)2月進水、同年7月31日に竣工。8月14日就航した。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「黒龍丸」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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